私はイギリスの大学院博士課程に進学するため、2020年8月にTier4のビザ申請を行いました。
結婚していて妻と子供もイギリスへ来るため、自分用と妻子用でトータル3つのビザを申請したことになります。
ビザ取得に必要な書類や政府のポリシーが頻繁に変わるため、ネットで見つけた情報と実際にやった手順が必ずしも一致しなかったので、現時点でどうなっているのかを記録に留めるためにこの記事を書きました。
この記事がイギリスに留学される方の参考になればと思います。
Contents
ビザ申請に必要な書類
申請に当たって下記の書類を準備しました。
・パスポート
・ATASの証明書
・CAS
・Tier 4 Sponsor Licence Number
・オファーレター
・奨学金財団の資金証明書
・銀行の口座残高証明書
・通帳のコピー
・戸籍
・子供のビザ取得同意書
パスポート
3人分のパスポートです。
博士課程が3-4年間あるので、その期間内に有効期限を迎えてしまわないものを使用しました。
ATASの証明書
イギリスで外国人が研究を行う場合にはAcademic Technology Approval Scheme (ATAS)という書類を取得する必要があります。
これはざっくり言えば「イギリスで研究した知財を流出させない・悪いことをしない」という誓約のようなものだと思います。
申請から発行まで30営業日かかるので(コロナで混んでいたのか私の場合は40営業日くらいかかりました)、早めに手続きしておきましょう。
ATASの取得方法はこちらの記事を参考にしてください。

CAS
CASとは合格後に大学から発行される番号で、そこに学生の個人情報が紐づいています。
おそらくイギリスの移民局もこれを参照することで色々わかるのだと思います(超ざっくりw)。
CASはConditional-offerからfull-offerに変わった数日後にメールで来ました。
CASについては思い出深いエピソードがあります。
私はもともと2020年4月からの学期で入学する予定だったのですが、コロナの影響で10月に延期になってしまいました。
3月の中旬になってもCASが来ないので「おかしいな〜」と思いながら数週間待ち、それでも来ないので確認のメールをしたところ、「あ、ちょうど今発行してるわ」と返事が来て、その数時間後にはCASが届きました。
「絶対忘れてたでしょw」とツッコミたくなりましたが、CASがきたのでまぁ良しとしておきました。
その後、入学時期が変わるとCASも変わるとのことで、一旦取り消しをしてもらい、また9月に受け取りました。今度は早かった。
Tier 4 Sponsor Licence Number
学生ビザ取得におけるスポンサーは受け入れ先の大学を指すようです。
CASの通知と一緒にメールで来ました。
オファーレター
大学からの合格証明書です。
奨学金財団の資金証明書(英文で発行)
授業料全額と生活費の一部を日本の民間奨学金財団に支援していただいているので、支援内容が書かれた証明書を発行してもらいました。
これは出願のタイミング・カレッジの寮を借りるタイミングでも提出したのですが、具体的な金額や詳細な振込時期が書いてないとダメと言われ、何度か形式の修正をしてもらいました。
かなり細かく作っておいたおかげで、ビザ申請の際にも支援内容が伝わりやすくなったと思います。
銀行の口座残高証明書(英文で発行)
ゆうちょ銀行の残高証明書を提出しました。
約200万円入った本人名義の口座で作成しました。
奨学金で必要な費用が全てカバーされる人の場合は不要かと思います。
ゆうちょでの発行は即日やってくれます。手続きには1時間くらいかかりました。
「ドルと円の併記しかできない」というのでそれでお願いしたのですが、よくよく調べるとポンドもできるとのことで、後日改めてポンドで発行してもらいました。
通帳のコピー(翻訳したもの)
出入金履歴も見られるとのことだったので、念の為、通帳のコピーを英訳したのも持っていきました。
翻訳はくまざさ社さんにお願いしました。
データを送って翌日には翻訳版を納品していただき、大変スピーディーでした。
戸籍(翻訳したもの)
こちらもくまざさ社さんに翻訳してもらいました。
子供のビザ取得同意書
未成年者のビザ取得には同意書が必要らしく、ネットに落ちていたフォーマットを参考に作成しました。
下記を含むように作成していれば問題ないとのことです。
Letter of consent from your parent(s) or legal guardian(s)
A letter of consent that confirms:
・the relationship between you and your parent(s)/legal guardian(s)
・consent from your parent(s)/legal guardian(s) to the application
・consent from your parent(s)/legal guardian(s) to the living arrangements in the United Kingdom and the address where you will be staying
・whether one or both of your parent(s)/legal guardian(s) have responsibility for you
Both parents/legal guardians must sign the letter of consent, except where only one parent/legal guardian has sole responsibility for you.
ビザ申請にかかった費用
一人10万円以下くらいでビザ申請できるだろうと思っていましたが、実際は一人30万円ずつくらいかかっています。
その内訳はざっくりと以下のようになります。
・ビザ申請代 5万円
・保険料 22万円
・ビザセンターでの手続き 1万円
・ビザセンターまでの交通費, 宿泊費 3万円
・翻訳代 3000円
やはり保険料が大きいですね。
イギリスの場合、Immigration health surcharge (IHS)という名目で、保険料をビザ申請の際に支払う必要があります。
この手続きはビザの申請フローに組み込まれているので忘れることはないと思います。
学生本人は年間£300、家族は£400を支払う必要があり、これを先払いで修業年限分(今回は4年分)納める必要がありました。
高すぎて涙が出そうです…
家族で渡英を考えている方はクレジットカードの限度額に注意しましょう。限度額に当たって支払えないということにならないように、複数枚準備しておくのが良いと思います。
また、私は沖縄で生活をしていたのですが、ビザ申請の生体認証のステップで東京か大阪まで行く必要があり、大阪へいきました。
この時の交通費もそこそこ高くついています。
ビザ申請のタイムスケジュール
Tier4ビザの場合は、学期開始予定日から90日以内でないとビザ申請ができないので、早めに準備をするとしても3ヶ月前からの申請になります。
イメージとしては学期スタートの2ヶ月前までに書類を集めてオンライン申請。
オンライン申請は家族であっても1人ずつフォームを入力する必要があり、1人あたり1時間くらいの時間がかかりました。
配偶者と子供とフォームが分かれていました。
その後、生体認証をするためにビザセンターの予約を渡英1ヶ月前くらいまでに取り、ビザ到着を待つという流れになります。
私がビザセンターの予約をした際には、最短で3日後くらいから予約できるようでした。
大阪の場合、時間枠は9:00-13:30で、30分ごとに1人を見るという形でした。
イギリスビザの場合はオンライン申請のタイミングで書類をアップロードできなくても、ビザセンターにいったタイミングで追加提出できるので、もし足りなものがあっても焦らず、その日までに揃えるようにしましょう。
ちなみにビザセンターは民間の下請け業者なので、ビザ取得の細かい質問は受けてくれません。事前にイギリス政府の情報を確認しておく必要があります。
ビザ申請から到着までは15営業日とされており、現在はコロナの影響で優先サービス(数日でビザが届くサービス)が選択できませんでした。が、当日ビザセンターで使えることを教えてもらい、追加料金を支払って優先サービスにしましたw
ビザセンターでの実際の手順はこちらの記事にまとめているので参考にしてください。

まとめ
イギリスのビザ申請は独力でも意外と行けます。
フォームも分かりやすく書かれてるので、そこまで英語力のない私でも代行業者を使う必要は感じませんでした(イギリスビザ関連の記事の多くはアフィリエイト記事なので、あんまり真に受けない方がいいです。)
ただ、準備すべき書類は多いので、申請前に注意書きをよく読んでアップロードする書類を揃えるようにしましょう。
もし揃っていなくても最後に「チェックリスト」という形で追加書類のリストが出てくるので、それをきちんと準備してビザセンターへいきましょう。