英語学習

【英語初学者向け】TOEIC400点から6ヶ月で700点を取得するための具体的戦略

私は理系の大学院生として研究を行う傍ら、英語学習に役立つ情報を発信しています。これまでTOEIC900点以上、IELTS7.0を取得し、世界大学ランキングでも3本の指に入るケンブリッジ大学博士課程の合格を掴み取りました。

とは言っても元から英語ができたわけではありません。7年前、大学1年生の時に初めて受けたTOEICでは450点でした。そこから約1年間の勉強を経て、700点までスコアを伸ばすことができました。正直、700点まで伸ばすというのが英語学習の中でも最も苦しい戦いでした。

なぜならば、成長というのはある時点を越えると”急激に伸び率が上昇する”からです。下の図は播磨直希さんのnoteから引用させていただいた成長曲線です。「ここで諦めるともったいない」と書かれたエリアを抜け出すと、一気に能力が上昇している様子が見てとれます。

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平均的な大学1年生の英語力というのは高校レベルの単語力と、500~700文字程度の文章の読解ができるものです。ある調査では大学一年生のTOEICの平均点は427点と言われているので、大学一年生時点での私の英語力は極めて平凡なものであったと言えます。しかし、合理的な勉強を真っ当に積み重ねることにより「ここで諦めるともったいない」のエリアを抜け出し、TOEIC700点という1つの目標を達成することができました。

今回はその経験を生かして、TOEIC700点を取得するために必要な学習法心構え具体的なスケジュールについてご紹介します。この記事の対象読者はTOEIC300点から500点の初学者で、どのようなプロセスを経て中級者になるのかに焦点を当てています。内容は地道なものばかりで、裏技的なものではありません。短時間で効果を出したいという方にとって有益な情報ではないかもしれませんが、「6ヶ月間毎日欠かさず、目標点取得のために時間を割ける」という強い意思のある方には有益な内容になっています。

話はそれますが、私はその後TOEFLでハイスコアを取り、学部3年生の時に交換留学生としてアメリカのミシガン州立大学に10ヶ月間の留学をしました。世界最先端の教育環境で学ぶことができ、植物科学への関心が一層高まりました。その際には文部科学省の奨学金を約200万円いただくことができました。その後、別の奨学金財団から5年間に渡って奨学金を受けることが決まり、合計で2000万円近い投資をしていただきました。これら全ては英語の学習を始めたことに端を発しています。英語学習を通して世界中に友人ができ、世界の知見に触れることができ、新しい挑戦を支援していただけるような環境に身を置くことができて本当に良かったと思います。ぜひ皆さんにも英語学習を通して人生を豊かにしてほしいと思っています。

英語はあくまでも言語なので特別な才能は不要です。その証拠に、世界人口の1/4程度の人は英語を扱うことができます。英語が母国語でない私たちには特別な才能が要らない代わりに、正しい方向性の継続的な努力が求められています。この記事を通して努力の方向性を示し、誰かの役に立つことができていれば嬉しいです。

1. TOEICは処理能力偏重のテストであることを知る

私はTOEICはいわば「大人の100マス計算」であると考えています。

なぜならば、約2時間という限られた時間の中で、200問もの問いに答えなければならないからです。1問あたりに換算すると1分以下です。つまり、熟考して答えを導くというよりも、「こういう場合の正解はこれ」と瞬時に判断する処理能力が求められます。

これは他の英語の試験(TOEFLやIELTS)にはない際立った特徴です。

例えばIELTSのライティングでは40分かけてエッセイを書くという全く別の能力が問われます。ここでは処理能力ではなく、論理的思考力や英語での表現力が問われます。

皆さんも小学生時代に百マス計算の練習した記憶があると思います。最初は1枚の計算を仕上げるのに5分かかっていたものが、毎日の練習の中で計算のコツを掴み、4分でできるようになり、さらなる練習でもっと早く解ききることができるようになったのではないでしょうか。

具体的な例を見ていきましょう。次の問題は過去問.comで公開されているTOEICの予想問題です。写真の状況を表す英文は1-4のうちどれでしょうか。

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答えは3です。選択肢を見比べたときに、動詞以下が異なっていることが分かると思います。TOEICに慣れている人はこの段階で「あ! これは動詞の用法の問題だな」と出題者の意図を見抜くことができます。すると1の「talking in her sleep (夢の中で話す)」、2の「taking part in the athletic meeting (アスレチックミーティングに参加する)」、4の「making a dradt (原稿を書く)」が誤りの選択肢であることに気づくことができます。

TOEICが百マス計算たるゆえんは、出題者の意図に慣れることでどこに着目すべきかが見抜けるようになってくるという点にあるのです。

このトレーニングのためにオススメしたいのが、間違えた問題があれば「その問題のポイントとなる表現を覚える」ことに加え、「これは何を問う問題であったかを言語化する」ことです。今回の例であれば「take, talk, address, makeの動詞の用法」ですね。

TOEICのように大規模で年間に数回しか行われないテストは、誰が解いても正解が1つとなるように良く練られています。そのため、出題者はそれぞれの問題に対して「このポイントを覚えて欲しい」という意図を明確に定めています。普段の練習の中でその意図を汲み取っていれば、本番でも同じ意図の問題が出題された時に高い確率でそれに気づくことができます。

2. TOEIC700点取得に必要な勉強時間

TOEIC700点を取るまでにどのくらいの勉強時間が必要なのでしょうか?

もちろん同じ勉強時間でも人によって密度は異なります。

そこで、まずは筆者が大学一年生の6ヶ月間でどの程度の勉強を経て700点に到達したのかという実例を公開します。

大学一年生の頃は平日の大学の講義の合間にTOEICの勉強をしていました。だいたい3時間程度だったと思います。6ヶ月(180日間)のうち、土日はあまり勉強していなかったことを考えると、実際に勉強した日にちは130日間くらいでしょうか。単純計算では130×3=390時間となり、それに加えて大学でTOEIC演習という講義を受講していたため、トータルで450時間程度でしょうか。

他のWebサイトでもいくつか参考になる数字が掲載されていました。

こちらはトイグルというサイトの記事からの引用です。調査年度が1985年とやや古いですが、450点あたりから650点までで450時間必要と書かれていたので、その時間数で700点取れたのもあながち間違いではないでしょう。

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また、TOEICの講師として著名なTEX加藤さんはインタビュー

私の指導経験では、毎日3時間勉強すると、3カ月間で約100点スコアがアップするという結果がでました。つまり、200~300時間勉強で100点もアップすることができるのです。

と答えています。つまり400点から700点まで伸ばそうとすると、600~900時間の勉強が必要という計算になります。

もちろんどのレベル感から始めるかや、勉強の効率によって結果は大きく変わると思いますが、何れにせよ500時間程度というのが一つの目安になりそうです。

つまり6ヶ月後に300点UPさせたい方は500時間を日数で割って(500/180=2.8時間)、3時間程度の勉強が毎日必要ということが分かります。

毎日3時間やっていれば「こんなやってるんだから取れるに決まっている」と自信になるかもしれませんが、これだけ勉強してようやく妥当な勉強量なので英語力を伸ばすということがいかに地道なことであるかがお分かりいただけると思います。

3. TOEIC700点を越えるのは全受験者のうち○○%

次にTOEICで700点以上取れる人が全体で何%いるのかを見ていきましょう。

2019年に発表された公式統計を出典とします。695点以上で線引きがなされているのでその数値を元に計算すると、約700点以上の人はなんと全体の27.4%でした。体感よりずっと多く感じますね。日本の企業では700点取れていれば英語力があると判断するところも多いのですが、3割近い受験者がこのスコアを取れているとは驚きです。

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一方、最頻値は545点から595点でした。このゾーンの方は英語学習を継続して行い、徐々に力をつけてきたという段階でしょうか。冒頭の「ここで諦めるともったいない」の段階です。

この章でお伝えしたいメッセージは「TOEIC700点は意外と多くの人が取れている」「500点台で苦しい時期もあるが、一定数の人はそれを乗り越えてハイスコアへ到達している」という2点です。

4. 試験を受けて目標との距離を測る

もしかして現時点での自分のスコアが分からないまま勉強を始めようとしてはいませんか?

私も以前は「試験はある程度学習が進んでから受けた方がいいんじゃないか」と思っていましたが、それだと数ヶ月の学習の成果が測定できません。

仮にその時点での目標スコアが取れていれば、学習の進め方が正しいことが確認できますし、目標スコアに及んでいなければスケジュールの見直しを行う必要があります。

それではどのくらいの間隔で実際の受験をすれば良いのでしょうか?

推奨は「今日申し込めるもので最も近い日にち」「1, 2ヶ月に1回」です。

一番早い日程で受ける理由は2つあります。

1つ目に「現時点での実力を知ることができるから」です。実際にテストを受けて自分のスコアと直面することで、現実感を持って目標スコアとの距離を考えることができます。

2つ目に「2時間通して受験する体力が身につくから」です。TOEICの学習を進めるときに、多くの方はパートごとのように分割して問題を解き、答え合わせをすると思います。練習ではそのやり方が集中力を保つためには良いのですが、本番では全てのパートを連続して解かなければなりません。この体力を身につけるために、本番環境を再現することは非常に重要です。自分で模擬試験を行える方は学習メニューに模擬試験を取り込んでいただければ良いのですが、もし模擬試験を続けることが難しいという場合には本番を受けに行くというのが最適です。

1,2ヶ月に1回受験すべき理由は学習の進捗を把握するためです。実際に解いてみることでその時点での問題がどこにあるかが分かってきます。これまで筆者も受験を通して次のようなことに気づきました。

・語彙問題での失点が多い
・時間配分ができていない
・リスニングで疑問詞を聞き逃す

1, 2ヶ月の間隔で受験日を定めることでモチベーションも上がり、学習にメリハリがつくことも大きなメリットですね。

ぜひ皆さんも定期的に公式試験を受けて、失点の原因がどこにあるのかを明確にし、その後の学習法の修正を行いましょう

5. TOEICに特化した基礎単語力をつける3つのコツ

TOEICを制するには、TOIECに頻出の単語を押さえる必要があります。

本章では最短経路でTOEIC頻出単語をマスターするための3つのステップについてご紹介します。

5-1. 金のフレーズを100語x10日間でインプット

基本的な英単語暗記法については過去に無料記事にしていますので、まずはそちらを紹介します。

「【英単語を効率的に覚える】4400語を30日間で暗記するための具体的な手順」

ここではTOEICに特化した語彙力の付け方についてご説明します。

単語帳はTOEIC用であればどれを使っても良いのですが、筆者は王道の「新TOEIC TEST 出る単特急 金のフレーズ」を使用しました。

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この単語帳にはTOEICによく出る単語が目標スコア別に1000語掲載されています。700点を目指す場合には1000語全て覚えるつもりで取り組みましょう。

基本的には「出題頻度の高い単語=前半に掲載されている単語」という理解で問題ありません。

単語を覚えたかどうかの判定は、英単語をみて日本語の意味が思い出せるかをチェックします。

左に英単語、右に意味や用法が書かれているので、右の列を赤シートで隠した状態で意味を声に出して答えていきます。

“思い出せたかどうか”も重要ですが、“思い出そうとすること”が知識の定着に極めて大切です。

なぜならば、人間の脳は”思い出そうしたもの”=”覚えておく価値のあるもの”と判断して、長期記憶のエリアに記憶の置き場所を変えるようにできているからです。

脳の性質を理解して、記憶の定着を最大化するために活用できるのが「瞬間思い出し法」というものです。

瞬間思い出し法の具体的な進め方に移ります。

まずその日に扱う100語の意味をチェックしていきます。

意味が答えられない単語があれば印をつけます。

最後まで一通り確認ができたら、印のついた単語を箇条書きでノートに書き出します。おそらくこの時点で100語のうち何割かに絞れていると思います。未知の単語が5割以下になっているのが理想です。

次に、箇条書きで並べた単語の右に覚えるべき意味を1つだけ書きます

あとは右列を隠して、パッと思い出せるようになるまで何周もテストします。考えを巡らさなくとも瞬時に意味が出てくる状態にしましょう。

復習として翌日に再びノートの単語(前日に覚えた単語達)をチェックし、さらなる定着をはかります。

2度目の復習として、週末にまとめて復習しておけば大抵は覚えている状態になっているでしょう。

5-2. 問題を解きながら、知らない単語に出会うたびに覚える

スコアの上がらない方によくある間違いの1つが「単語を増やせば増やすほどスコアが伸びる」というものです。

確かに単語は文法問題などでは正誤に直結しますが、TOEICで出題される問題の多くはたとえ知らない単語があっても致命傷にはなりません。

そのため、単語は金のフレーズを覚えた後は、単語帳を使った勉強から離れて実践練習の中で覚えていきます。

「実践練習の中で」というのは、実際にTOEICの問題を解き、分からない単語があれば復習の段階で覚えてしまうということです。

実際の文脈の中で覚えた方がより鮮明に印象に残りますし、自分が覚えていない単語にだけフォーカスできるので単語帳よりも即効性は高いです。

こちらも瞬間思い出し法を活用するために、一度ノートに書き出し、ノート上で思い出せるかどうかのチェックをするのが良いでしょう。

5-3. 月末に覚えていない単語を書き出し、改めて覚える

翌日の復習、週末の復習に加えて、月末に単語の総復習日を設けることで単語力のさらなる強化を行います。

方法は簡単で、5-1, 5-2で単語を覚えるために使ったノートを1ヵ月分全て復習します。

その中で覚えていないものを改めてインプットすることで定着度が高まり、「今月はこれだけ覚えた」と自信を持って言えるようになるでしょう。

6. TOEIC700点を取るために必須のトレーニングは○○

TOEIC700点の取得に最も効果のある手法は音読です。

なぜならば、英語の運用という観点において、音読は最も実用に即した練習だからです。

スラスラと音読するためには単語が発音でき、文の意味を理解できている必要があります。もし音読の段階で分からないところがあれば、辞書を引くなり文の構造を書き出してみるなりして、理解を推し進めることができます。

そのため、音読は分かったつもりを防ぐために最適な方法と言えます。

目・口・耳と3つの部分を使って学習することで記憶の定着率も高くなるとされています。

音読の具体的な方法について、東進ハイスクールの安河内哲也先生はインタビューの中で次のように述べています。

センスグループごとに日本語に置き換える“サイト・トランスレーション”から始めるといいでしょう。例えば、This is the report / これはレポートです /that was submitted / 提出された / by mycolleague / 私の同僚によって / yesterday. / 昨日、というように、声に出して練習するのです。ノートに書く必要はありません。

つまり、語彙のまとまりごとに意味を捉えることで、全体としての文の意味を理解するということですね。「語彙のまとまり」→「文の意味」と結びつける段階で、適切な文法知識があると誤訳を防ぐことができます。前後の文の意味と繋がらなければ誤訳の可能性が高いので、その場合には立ち止まって文の構造分析をしてみましょう。

また、本来の目的は音読を通して内容をより詳しく理解することなのですが、音読が作業になってしまう方もいます。先ほどの大河内先生のインタビューから、こんな音読の仕方はマズイという例について紹介します。

【効果の出ない音読の仕方】

英文の意味をよく理解しないまま、ただ声に出して読んでいるだけ。正しい発音を知らないまま、自己流の発音やイントネーションで音読する。こんな状態でいくら音読をくり返しても、英語力はつかない。時間のムダです。

筆者は音読を5回程度行うことを推奨しています。

しかも5回それぞれに違った意識で読んでいます。

1度目は文の意味を理解することを意識して、2度目は文同士の意味のつながりを意識して、3度目は設問との対応を意識して、4度目はネイティブに近い発音を意識して、5度目はその文章を書いた人の気持ちになって読んでいます。

また、適切な発音やチャンクの区切り方に馴染むためには、CD付きの教材を使うのが良いでしょう。リスニングの問題であればスクリプトを見て、CDをかけながら後追いで読む(シャドーイング)も非常に効果的です。

音読を始めて次のようなメリットがありました。

・速読力が上がった
・文の意味を適切に理解できるようになった
・発音が上手くなった
・長文を読むことに対する心理的障壁がなくなった

さらにTOEICに限って言えば、読みなれることで展開のパターンが分るという利点もありました。展開が分かると空欄に入りそうな単語がなんとなく浮かぶので、文の意味から選択肢の絞り込みに繋げることが可能です。あとは正しい文法知識を元に答えを確定させられることで、より素早く正解に辿り着けるようになります。

7. 1度で内容を正確に聞き取るためのリスニング技術6選

この章ではリスニングのスコアアップのための6つのテクニックを紹介します。

7-1. 解答の根拠を言語化する

まずは一般的な学習にも使えるコツなのですが、解答には全てその根拠となる箇所があります。

必ずそれを見つけましょう。

見つけるだけでなく、人に説明できる状態で理解しましょう。

これがいわゆる「言語化」です。

文章として読んでも意味をなす表現ができれば、自分がそれを分かっていると判断できます。

「なんとなくこの選択肢が正解らしいよ」

という理解をしていては似た問題が出題された時に落とす可能性があるので、必ず言語化をしてセルフチェックをする癖をつけましょう。

7-2. 文頭の疑問詞

リスニングは文頭の疑問詞が肝になります。

なぜならば客観性のある問題を作るためには5W1Hに関連する出題をするのが確実であり、英語は言語の特性上、疑問詞が先頭に来るからです。

「何を問う問題か?」

が理解できなければ、それに続く音声を漫然と聞くことになってしまい、解答に当たる箇所を見つけられることができません。

必ず疑問詞に注意を払って、答えるべき内容を想定しましょう。

7-3. 言い換え表現

英語では同じ単語を何度も繰り返すことは避けられます。

繰り返しの多い文章は表現力に欠けると取られるからです。

その習慣は問題と選択肢でも同じです。

そのため、問題文でキーになる単語を、選択肢では別の形で言い換えることが頻繁に起こります。

例えば本文で「dog」が答えになる問題であれば、選択肢には「animal」などのような言い換え表現が使われています。「dog」がそのまま使われているような選択肢があればよくよく確認しましょう。

7-4. 同じ単語を使って、違う意味を表す表現

動詞がそのまま出てくる選択肢にも注意しましょう。

なぜならば動詞は用法によって様々な意味をなすからです。

例えば「make」という単語は

make O C 「OをCにする」
make O 「Oを作る」
make it 「成功する」

のように全く異なる意味として使うことが可能です。

「同じ単語が入っているからこの選択肢だろう」

というミスはTOEIC300点から600点の方によくあることなので、「単語の転用はミスを誘う罠」と理解しておきましょう。

7-5. 「全て」や「全くない」などの言い切り

次に気をつけたいのが言い切り表現です。

具体的には

・全て
・全く~ない
・どちらも
・いつも/必ず

が頻出です。

こういった表現を含んだ選択肢は数量や頻度の誤りとして出しやすいため、作問上の客観性が担保しやすいのだろうと思います。

センター試験英語やIELTSなどでもこの手の引っかけは非常によく出てきます。

7-6. 聞き取れなかったものは悩まず次へ

聞き逃したものは悩んでも答えは分かりません。

切り替えて次に意識を向けましょう。

変に粘って時間を使ってしまうと、次の問題まで落とす可能性があります。

次章で述べるように、700点を取るために必要な正答率はそこまで高くないので、分からない問題には見切りをつけて次へ進むことが全体を最適化することに繋がります。

8. ○○○○○で問題を解くことで1週間で100点UP!?

突然ですがTOEIC700点を取るためには、200問のうち何問正解すればいいか知っていますか?

目安は140問。全体の70%の正答率があれば700点には到達できます。

厳密に言えばTOEICでは正答率の低い問題には高い点がつくので厳密に140問ではないのですが、大まかな目安としてはこの理解で十分です。

70%と聞くと少し自信が出てきませんか?

この章では「自分の素の英語力で何%の問題が解けるかを理解する方法」を説明します。

ズバリ結論は「時間無制限で解くこと」です。

時間無制限で、一問一問納得がいくまで考えて解くことで、現時点で解ける問題と解けない問題を仕分けできるようになります。

仮にその得点率が70%を超えていれば

「素の英語力は申し分ない。必要なのは素早く解く訓練」

と分かります。

この状態にあれば後は簡単です。

リーディングであれば制限時間を120分→100分→80分→75分と短くしていきます。

リスニングであれば「3回まで聞き直しOK」→「2回まで」→「1回で」というように条件を厳しくしていきます。

このやり方を「フォームチェック法」と呼びます。

これはゴルフなどで腕前を上達させるために、ゆっくりスイングをしてフォームチェックすることから来ています。

それと全く同じように、英語学習においても時間の尺度を変えてやることで、正しい道筋で正解に辿り着けるかどうかを確認します。

フォームチェック法はパートごとの対策にも転用できます。

仮にPart7を55分で解くことを目指していた場合、80分→70分→60分→55分と短縮していきます。

上記のような「解ける問題を確実に取る練習」で正答率はグッと改善します。

仮に正答率が70%を切っていた場合には、間違えた問題を復習し、時間無制限で2回目に取り組めば高確率で正答率70%を超えています(超えていなければ復習が機能していません)。

後は同じように制限時間を徐々に短くして解いていくことで、処理能力を身につけていきます。

私の場合はこのやり方を始めてから100週間でスコアを100点伸ばすことができました。

9. 問題の○○○で処理能力を大幅にあげる

TOEICで処理能力をあげるコツは「問題の先読み」です。

リーディングであれば文章を頭から読んでいくのではなく、先に質問を見て、どのような答えを探せば良いかのあたりをつけます。

リスニングであれば前の問題が終わったらすぐに次の問題を見て、キーワードとなる語を探します。

先読みを習慣づけることで、意識を集中させるべきポイントが明確になり、得点力が大幅にアップします。

実際に筆者も「先読みあり」と、「先読みなし」でリスニングの問題を解いたことがありますが、同じ英語力があっても「先読みあり」の方が50点以上スコアが高い結果になりました。

つまりTOEICリスニングでは会話の内容が聞き取れているかどうかだけでなく、問題で求められているポイントに対応する箇所に注意を向けられるかも重要になるということです。

10. 本番前の○○○○で700点を越せる状態を作り出す

ここからは試験前の最終調整的な勉強法についてです。

本番直前期には模擬試験を少なくとも3セット行いましょう。

模擬試験なのでリスニング・リーディングの順で休憩時間まで管理します。

このトレーニングの目的は本番の流れをイメージし、最高の集中力を2時間に渡って維持できるようにすることです。

オススメの方法は「1セットやったら次の日にもう一度同じ問題を解き直し、満点を目指す」ことです。具体的には次のように進めます。

(月): 1セット目
(火): 1セット目 (2回目)
(水): 2セット目
(木): 2セット目(2回目)
(金): 3セット目
(土): 3セット目(2回目)

これによって1回目に間違えた問題を確実に解けるようになりますし、2回目には素早く解き進めることができるため、冒頭に述べた100マス計算の練習のようなスピードアップに繋がります。

制限時間内に全ての問題を解きった感覚を身に付けることが、モチベーション維持に非常に大きな役割を果たすのです。

もし2回目でも正答率が95%を超えない場合には、3回目, 4回目と繰り返すこともOKです。

1冊の問題集をやり込めば高得点が取れる系の勉強法は、いずれもこの勝ち癖効果を利用しています。問題のパターンが有限である以上、まずは手元の1冊に収録されている問題を確実に覚えることが得点アップの最短ルートです。

11. 6ヶ月で300点UPさせるための具体的なスケジュール

ここからは6ヶ月でTOEIC700点までスコアを伸ばすために、具体的にどのような手順で勉強を進めていくのかついてご説明します。

実際のプランは次のようになります。

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まず、やるべきことを「単語」「文法」「リスニング」「演習」「模試」の5つに分けます。

演習以外は基本的に1冊の参考書をやり込み、演習のみは公式問題集の4.5.6の3冊を使います。

基礎準備期

まず、1週目から8週目は「基礎準備期」として、単語・文法・リスニングの習慣付けにフォーカスします。

単語は5章で説明した方法で、「TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ) 」に掲載されている1000語を覚えていきます。week1, 2で1通り覚え、復習のためにweek5, 6にもう一度覚え直しましょう。覚えていない単語の数が大幅に減っているため、二周目はサラッと終えられると理想的です。

それと並行して、文法の基礎固めとして「1駅1題 新TOEIC TEST文法特急」を解いていきます。これは主にweek3, 4に取り組みましょう。

この参考書は正答率の高いものから、徐々に難しくなるように問題が並べられているため、得点源にできる重要な問題を確実に取れるようになります。文法知識は単語と同じで、何度も繰り返す中で瞬時に答えが浮かぶ状態を目指します。

さらにリスニングに慣れるために、week1から4までは同じシリーズのリスニング対策本「TOEIC L&R TEST サラリーマン特急 新形式リスニング (TOEIC TEST 特急シリーズ)」をできる限り毎日継続します。単に問題を説き進めるだけでなく、丸つけ後にはシャドーイングを行なって、音声からスクリプトが分かるようになるまで復習します。これでTOEICに出題されるレベルの英語がかなり聞き取れるようになるはずです。

week8には模擬試験として時間を測って問題を解いてみてください。このあたりで1度実際の試験を受けておくと、最初の2ヶ月間での進捗状況を確認することが出来ます。

week5からweek8には「公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 6」をパートごとに解いていきましょう。1日1パートくらいの分量で良いので、時間無制限で解き、間違えていたものについては正解の根拠を言語化していきます。最初は試験1回分を解くだけでも大変かもしれませんが、数回やっているうちにだんだん慣れてきます。week5からweek8の中で公式問題集6(試験が2回文収録されている)を2周することを目指すので、1週間に1回分くらいのペースで着実に進めていきましょう。

実践演習期

week9からweek16は「実践演習期間」に位置づけます。

ここからは公式問題集を使った演習が中心になります。

まずは公式問題集6を少し制限時間を厳しくしてもう2周行います。その後公式問題集5「公式TOEIC Listening & Reading 問題集 5」も2周解きます。

演習と並行して基礎準備期に行なった「単語」「文法」「リスニング」の教材をもう1周ずつしておきます。

実践演習期の最後にもテストを受けられると良いでしょう。ここまで学習を進められた方であれば、すでにスコアが200点以上上昇しているのではないかと思います。苦手な分野があれば予備日を設けて重点的に取り組むのも良いでしょう。

本番想定期

week17から24は本番想定期と位置付け、本番と同じ制限時間で問題を解き切ることを目指します。

この期間の最大の特徴は毎週末に模試を行うことです。実際に全パートを通して行うことで試験を受ける体力もつきますし、各パートにどのくらいの時間を配分するのかという戦略が固まってきます。とにかく正答率が70%を超えるような時間配分を工夫し、解ききれるようにしましょう。答え合わせの際には「知識がなくて解けなかった」のか「時間がなくて解けなかった」のかをはっきりと分け、知識系のものは次に取り組んだときに必ず正解できるように記憶しましょう。

本番想定期にこそ復習は重要です。改めて文法特急を解くことで、知識の抜け漏れが確認でき、高得点を取るための体系化ができるようになってきます。

上記は1日3時間の学習を半年間行い、合計で500時間あれば十分消化できるスケジュールになっています。もしフルタイムでTOEICの対策ができる方であれば、スケジュールを前倒ししたり、復習の回数を増やしたりすることで、6ヶ月もかからず700点に到達することが可能でしょう。参考書3冊、過去問3冊、+α(模試の分)と教材自体はかなり少ないので、あまりお金をかけずに実践できる勉強法になっていると思います。

ぜひ実践してみてください。

12. 最後に

ここまで読んだ方はTOEIC700点到達の道筋が見えてきたと思います。

書かれている勉強法も、対策の内容も至極当たり前のものですが、非常に効率の良い方法を凝縮しています。

この方法で何人もの友人や生徒さんが目標点の取得に成功してきました。

あとは実践するだけですので、勉強法に迷ったら何度でも読み返して、着実に勉強を進めていってください。

みなさんが英語学習を通して、さらなる豊かな人生を歩めることを祈念しております。