前回の更新からしばらく空いてしまいましたが、2020年10月5日から無事にイギリス生活を送れています。
生活の立ち上げには分からないことも多く苦労しましたが、こちらでの生活もなんとか形になりつつあります。
この記事では「イギリス留学生活が始まったらやるべきこと」と題して、最初の約2週間で私が準備したことをご紹介します。
Contents
生活編
まずは生活面での手続きを振り返ります。
洗濯機, 電子レンジの購入
私が住んでいるのは大学が貸主になるアパート(University Accommodation)で、collegeの施設とは様々な点で異なります。
一般的な家具はついていますが、あくまでアパートなので、電気の契約・Council tax・ネットの契約などは自分で行うことになります。
賃貸契約書には「ランドリールームあり」と書かれていましたが、実はランドリールームだけは他の会社が運営しており、使うたびに洗濯は£3, 乾燥は£2かかる仕様になっていたので、「これは洗濯機が必要だ」と思い、John Luisに買いに行きました。
イギリスの洗濯機はサイズが統一されているので、どの家庭の洗濯スペースにもすっぽりはまります。
値段は比較的高く、一番安いもので8万円くらいからでした。
John Luisでは配送料は無料、設置料は£25でした。
せっかく送ってもらうのならと思い、電子レンジも一緒に注文しておきました。
こちらはPanasonic製で1.5万円くらいでした。
イギリスでは電子レンジを開けるところが取手になったタイプはほとんどなく、ボタン式になっているものばかりなことに驚きました。
その他、固定費などにいくらかかっているかは下記の記事で紹介しています。

自転車の購入
次に必要になったのが自転車です。
アパートからラボまで徒歩40分くらいかかるため、時短と疲労緩和のために自転車を買うことにしました。
何人かの同僚に聞いたところ「Rutland Cycling」というグランドアーケードの地下にある自転車屋がいいのではという意見をもらったので、まずはそこへ行ってみました。
扱っているのは本格的なマウンテンバイクで、一番安いものでも£550。
欲しいのは2万円前後くらいの普通の自転車なので、ちょっと手が出ずに店を後にしました。
次にオススメされたのが、ケンブリッジの東側(Tesco superstoreやArgosがあるあたり)にある、「halfords」という自転車屋です。
品揃えも豊富で、欲しかったような廉価自転車もたくさんあり、ここ£200の日本製の自転車を買うことに決めました。
全商品が取り寄せになるとのことで、8日後に取りに行きました。
取りに行ったのはお昼過ぎなのですが、「組み立て終わるのが4時半になる」と言われ、「えー、もう取りに来たから優先的にやってよ」と伝えたのですが、若い店員さんは考えるそぶりを見せるでもなく「できない」と即答してきました。
まぁ海外だとこんなもんだよなと思いながら、周りのショップをぶらぶらしたり、スタバでコーヒーを飲んだりして4時半に受け取りました。
イギリス仕様なのでタイヤが大きく、サドルを一番下まで下げても片方のつま先しかつかないので少し危ないですが、これでイギリス生活が楽になると思います。
BRPの受け取り
入国後10日以内にBRP(滞在許可証)を指定された郵便局で受け取る必要があります。
手続き自体はパスポートを見せるだけで一瞬だったのですが、入店時に「14日間の隔離措置をとった?」と聞かれ「とってない」と伝えると追い返されそうになりました。
その時点で日本は隔離対象国から外れていることを伝え、他の職員さんにも確認してもらったら入れたので注意が必要です。
ネット回線の契約
研究室で実験できる時間帯が明確に決まっているため、特定の時間は家で仕事をしなければなりません。
そのためにインターネットの回線は必須でした。
まずは契約したいプロバイダー(私の場合はアパートのデフォルトがVirgin mediaだったのでそのまま選択)に電話をかけ、住所や氏名を伝えると契約が完了しました。
かなり簡単にできたので驚きました。
その4日後くらいに宅配がきたのですが、あいにく外出時だったので再配達を依頼しました。
再配達は日にちの指定はできるのですが時間指定はできず、ドライバーはその日の荷物を考慮して通るべきルートを決められているようです。
そのため、追跡番号を使って「自分の荷物は何番目に来る」「今ドライバーは何個目の荷物を運んでいる」という情報がみられます。
時間枠が本当にざっくりとしているので、再配達を依頼する時には一日家にいるようにしておいたほうが良さそうです。
ちなみに料金は一年目が月々£27、二年目以降は£35とのことです。
スマホの契約
スマホは同僚がオススメする「giffgaff」で契約しました。
giffgaffは実店舗を持たないそうで、オンラインで簡単に契約することができます。
翌日にはSIMが届いたので非常に助かりました。
プランは5GBで£10のものにしています。
銀行口座の開設
「Monzo」というオンラインバンクで口座開設をしました。
Barkleyなどの大手銀行では大学からのletterや賃貸契約書が必要で、申し込みから開設まで時間がかかるようですが、オンラインバンクなら即日契約できます。
特に不便も感じていないのでMonzoで問題ないかと思います。
在留届の提出
海外に3ヶ月以上滞在する場合は、外務省へ在留届を提出する必要があります。
こちらもオンラインで10分くらいでできるので特に問題なく処理できました。
Council taxの手続き
日本の住民税に相当するものがCouncil taxです。
これは収入によって決まるのではなく、家のグレードによって決まり、居住者の数で割った金額が請求されます。
学生の場合は免除申請ができるので現在この手続きを進めています。
collegeからのレターと賃貸契約書があればできるようです。
ゴミの捨て方の確認
私の住む地域はゴミの回収が2週に1度ほどで、ほとんどの家は回収日に緑と青のバケツ(これをbinというらしい)を道路に面した位置に出しています。
BinはCity councilという市役所的なところから無料でもらえるということでしたが、私の住むアパートはエリア内に共通のゴミ捨てスペースがあったので、binの申請は不要でした。
いつでもゴミが出せるので助かっています。
GPの登録
ホームドクターであるGPを選んで登録をしに行きます。
パスポート、賃貸契約書が必要です。
GPファインダーを使って近くの病院から選ぶのが良いと思います。
研究活動編
次に大学関係で行った手続きを振り返ります。
学生証の受け取り
学生証はcollegeが発行しているため、Magdalene collegeの受付(Porter’s lodge)へ行って学生証をもらいました。
「この中に多分あるから自分で探して持ってって」という感じで非常に緩かったです。
ケンブリッジのいいところは、職員さんが本当に楽しそうに働いているところです。
Porter’s lodgeのおじさんも自分のデスクに孫の写真を飾ったりしていて和みました。
Induction Eventの出席
コースの最初に行われる説明会をInduction eventというようです。
Department of Biochemistryでは2日間全リモートで行われ、プログラムの説明や学科の歴史などを聞きました。
その後、安全講習などを受けて、1週目からラボでの実験を開始しました。
Departmentへの入出手続き
学生証をもらったら、自分の使用する建物の立ち入り権限をもらいます。
私の場合はラボのある建物への権限だけあればよかったので、Departmentの受付の人に頼んで権限付与をしてもらいました。
研究室の使い方を覚える
新しい研究室に来ると、そこのルーティーンや規則を覚える必要があります。
特に今の時期は全研究機器が予約制担っているため、予約サイトの使い方や実験シフトのルールなどを理解して、それに従うようにしました。
Immigration関係書類の提出
留学生は下記の書類をcollegeへ提出する必要がありました。
- パスポート
- vignette (ビザみたいなやつ)
- BRP
- 入国時のフライト情報
アップロード用のサイトの情報がメールで来たのでそれに従って提出しました。
日本でやってきてよかったこと
ここまで紹介したようにイギリスで様々な手続きをしたのですが、日本で土台を作っておいて役にたったこともあります。
海外SIMの購入
日本のアマゾンで前もってtemporaryのSIMカードを買っておきました。
おかげでイギリス入国後の移動もスムーズに行きました。
SIMピンを持ってこなかったのが唯一の後悔でしたが、路上のスマホ屋で借りてことなきを得ました。
最低限の食器を持っていく
出国前に母がいくつか食器を持たせてくれたので、最初の数日間の生活が非常に楽になりました。
持ってきたものは
- 平皿 2枚
- 箸 1膳
- フォーク 2個
- スプーン 2個
- コップ 1個
薬関係を持っていく
まだそれほど出番はありませんが、市販薬を一通り持ってきていることも安心の材料です。
海外生活に慣れるまでは薬選びも大変だと思うので、日本から持っていくのが良いでしょう。
冬用の服を持っていく
9月末まで沖縄にいたので私服は全て夏用だったのですが、イギリスにいく直前にいくつか冬物を買っておきました。
案の定、この時期のイギリスはコートがないと寒いくらいだったので、日本で冬物を調達しておいてよかったです(当たり前…)。
お風呂セットを持っていく
アメリカに留学した際に、シャンプーやボディーソープの香りがきつすぎた経験があったので、今回は日本から持参しました。
しばらくは使い慣れた製品で生活できるのでとても快適です。
タオルを持っていく
タオルは盲点になりやすいですが、5つくらい持っていったおかげで、洗濯機が届くまでの期間を乗り切ることができました。
人生で初めて洗濯物の手洗いをしてみましたが、とても時間がかかるし重労働だし、洗濯機のある現代は便利だなと感じました。
すぐにできなくて辛かったこと
その一方で不便で仕方なかったこともあります。
掛け布団がなかった
ベッドとマットレスが付いているものの、掛け布団は持参が必要でした。
初日はとりあえず掛け布団なしで寝たのですがメチャクチャ寒くてきつかったです。
ちなみに掛け布団は英語でduvetというらしく、John Luisでは羽毛の種類や量からお好みのものを買えるようになっていました。
自転車がなかった
片道40分の通勤は時間がかかりますし、足がクタクタになるので、自転車が車での期間は大変でした。
状況にもよりますが、自転車はなる早で確保した方がいいなと感じました。
ネットが繋がらなかった
1週目、2週目はラボの方々への挨拶も兼ねて1対1のミーティングを全員とやらせていただいたのですが、それが自宅でできなかったのが大変でした。
指導教官の部屋を借りたり、collegeの勉強部屋を借りたりしながらなんとか乗り切りました。
まとめ
新生活の立ち上げには本当に多くのエネルギーとお金を必要とします。
それでも1度やってしまえばあとは楽なので、渡英前に優先順位をつけて必要なものを準備しておきましょう。
私は全然準備をしていなくて渡英後に苦労したので、上記の成功・失敗体験を活かしてもらえると幸いです。