本記事では投資初心者が初めて銘柄を選ぶ際に知っておくべきことと、オススメのポートフォリオについて解説します。
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銘柄選びのポイント
投資信託を始める際に一番やってはいけないのが、「人気ランキングを参考にする」ということです。
なぜなら、人気ランキングは証券会社が作ったものであり、取引手数料の高いファンド、いわば「売りたい商品」を前面に押し出している場合が少なくないからです。
一般NISAも含めると投資商品の質はピンキリで、利回りが10年間に渡ってマイナスの商品まであります。
窓口をもつ銀行の投資商品では、手数料が高すぎるあまり、利益が相殺されてしまうようなものも少なくありません。
そのため、手数料や過去の実績を踏まえつつ、投資に適した商品であるかを確認すると同時に、自分の投資目的に適った商品へ投資することが必要です。
どのくらいのリターンがほしいのか考える
まずは自分が目指す利回りを定義しましょう。
期待利回りとリスクは表裏一体なので、利回りを抑えればその結果が得られる可能性が上がります。
反対に、高い利回りを期待できるファンドに投資すれば、同じ幅で下落する可能性もあります。
現実的に狙える範囲は3~7%程度でしょう。
この範囲で自分がどこを目指すのかをシュミレーションする必要があります。
リスク許容度を考える
次に自分がリスクに対してどのくらい耐えられるかを考えてみましょう。
リスクに耐えることのメリットは、「不況などの下落局面でも資産を狼狽売りすることを避けて、不況が過ぎるのを耐え忍ぶことができるようになる点」です。
長期的に見れば市場が成長すると言う前提に立てば、いかに長期間保有するかが資産運用の成否を分けると言っても過言ではありません。
リスク許容度は楽観性・貯金額・扶養家族の有無などによって決まり、あくまでも感覚的なもので個人によって異なるものです。
もし余剰資金が十分にあれば7%程度の利回りを狙うことも可能ですが、長期に渡って着実に資産形成をしたい場合には5%程度を狙うのが良いでしょう。
社会が今後どうなっていくかを考える
投資の本質は「将来どこが成長するか」を見抜くことです。
現在は多くの方が米国株に投資をしていますが、これはGAFAMをはじめとするアメリカのハイテク産業の成長が今後も続くという前提に立っているからです。
もしそう思うのであれば米国株に投資をするのはアリですし、「いや、日本国内の産業が発展する」と思うのであれば国内株式を購入するのが良いでしょう。
このように、社会に対しての自分の考えを持って投資をすることで、国際情勢への関心も高まりますし、自分で考える癖が身につきます。
どのくらいの期間に渡って積立投資をするのかを考える
リターンを考える際に一緒に考えたいものが、投資期間です。
もし長い期間に渡って積立ができるのであれば、リスクをとってハイリターンの商品を買わなくても良くなります。
いつのタイミングでいくら必要かという目標から逆算して、目標利回りを決めましょう。
銘柄の純資産額をチェック

銘柄は人気ランキングでチェックしてはいけないといいましたが、「どのくらい資産が買われているか」は確認しておきましょう。
この時に見る指標が「純資産額」というものです。
楽天証券であれば各銘柄の運用実績のグラフに、緑色で記載がされています。
この純資産額が確実に増えていっているものは信頼ができます。
目安としては200億円以上を運用しているものに投資するようにしましょう。
投資初心者へのおすすめポートフォリオ
積立NISAでは複数の銘柄を同時に積立していくことができます。
リスク分散のために多くのものに同時に投資することは悪いことではないのですが、投資はなるべくシンプルにやったほうが精神衛生上良いのと、名前が違う商品でも投資対象は同じだったりすることから、むやみやたらに数を増やすことはおすすめできません。
そこで私は次の2種類のポートフォリをおすすめしています。
米国株に絶対的な信頼を置く、リターン重視のポートフォリオ
リターン重視であれば「楽天・全米株式・インデックスファンド」だけで問題ありません。
この商品は米国株式全体の値動きを反映した指数「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」に連動することを目指しており、人気のS&P500指数よりも中小企業を含んでいることが特徴です。
米国株の強さは歴史的にも証明されているので、現状で最も信頼のおける投資対象の1つになってくれます。
この商品の過去3年のリターンは10%なので、不況を経験したとはいえ好調であることに代わりはありません。
リターンとリスクをやや抑えた、バランス型のポートフォリオ
次にオススメするのが
- 楽天・全米株式・インデックスファンド
- フィデリティ・欧州株・ファンド
- 楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)
の3つの商品を70%, 15%, 15%の割合で購入することです。
まずは新たに出てきた2つの商品を説明します。
「フィデリティ・欧州株・ファンド」は過去の記事でも取り上げているように、ヨーロッパの株式の詰合せパックです。

ハイテク企業だけでなく、バイオ・インフラなどの別軸の産業が含まれていることから、米国株と違った値動きをすることが特徴です。
過去5年のリターンが8.0%と、米国株ほどではないにせよ堅調な伸びを見せています。
「楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)」は全世界株式と債権を50%ずつ含んだ商品です。
イメージとしては全世界株式でリターンを狙い、債権でリスクを抑えるという形でバランスを取っていると考えてもらえば良いでしょう。
全世界株式の中身のうち半分は米国株なので、こちらは「楽天・全米株式・インデックスファンド」と被りがあります。
ただ、もう半分は米国以外の株式なので、新興国などへの投資ができる点も魅力的です。
この商品はまだ設立から日が浅いですが、バランスファンドの中ではリターンが高く、過去1年では8.0%という成績を修めています。
これらを合わせると、上図のように74%を米国株に、19%を米国以外の株式に、8%を債権に投資するようなポートフォリオになります。
さらにリスクを抑えたい方は債権の比率を上げるなどして調整ができるので、今回の情報を参考に自分にあったポートフォリオを考えてみてください。
まとめ
積立NISAを行う際にはポートフォリオを意識した銘柄選びが大切です。
ポートフォリオは自身のリスク許容度などを考慮する必要があるので、万人にとっての正解というものはありません。
本記事ではリターンをしっかり確保したい人向けのポートフォリオと、リスク許容度を下げた分散投資をしたい人向けのポートフォリオを紹介しました。
私は後者のポートフォリオで運用しており、そのパフォーマンスには満足しているので、ぜひ皆さんも参考にしてみてください。