学生のうちだけでなく、社会人になってから英語学習を再開する人も少なくありません。
そこで直面するのが「勉強をしようと思っていても、いつも3日坊主になってしまう」という問題です。
実際、継続ができない事で悩む人は多く、英語力の伸びがあるにも関わらず、自信を失って勉強をやめてしまう人があとを絶ちません。
しかし、学習の継続はほんの少しの考え方の切り替えだけで、意外にもスムーズにいくものです。
この記事では英語学習を続けるコツを、本質的なものからテクニック的なものまで紹介していきます。
Contents
なぜ英語学習が継続しないのか
私が数十人の方の相談を受けた中で発見した、英語学習が続かない原因ベスト5をご紹介します。
出来るだけイメージしやすいように、個人か特定できない形で事例も作成しました。
明確な目的がないから
通信系の企業で営業を行うAさんは、上司が海外のクライアントと英語で商談する姿をみて、仕事後に英語の学習を始めました。
もともとそこまで英語が得意ではなかったので、英単語や文法といった基礎的な項目から手をつけましたが、参考書を最後までやり切る事なく1ヶ月も経たないうちにひっそりとやめてしまいました。
Aさんの問題点は「何のために英語を学習するかが明確ではないこと」でした。
上司の姿に近づきたいと思うのはモチベーションとして間違ってはいないのですが、勉強も定量的な目標で測れた方が進捗が管理しやすいため、客観的なゴールを定める必要があります。
例えば「TOEIC700点」や「10分間の英語プレゼンができるようにする」などです。
このようにはっきりとしたゴールを定め、まずはそこに向かって勉強を進めましょう。
すぐに上司のようになることは難しいかもしれませんが、自分で立てた目標をいくつか達成するうちにメキメキと英語力が向上していくはずです。
期限が決まっていないから
大学3年生のBさんは、大学入学直後からTOEIC700点を目標に勉強をしており、半年に1回程度の頻度でTOEICを受験してきました。
スコアは徐々に伸びてきているものの、いつになったら700点に到達するかがあまりイメージできず、そこまでモチベーションが上がらないまま学習をしています。
Bさんの問題点は「目標達成の期限を決めていないこと」でした。
継続力のあることは優れた強みなのですが、多くの人にとって、ゴールの見えないマラソンを続けることは容易ではありません。
そこで私はゴールの設定と合わせて目標タイムの設定、つまり「いつまでに達成するか」を最初に決めておくことが重要だと考えています。
海外大学院入試などの場合では、いつまでにスコアを提出しなければならないという締め切りがあるのでそこへ向けてできますが、自己研鑽のために行う勉強では、その期日を自分で設定する必要があります。
目安としては、大きな目標であればMAXで1年間、TOEICなどの試験物であれば3ヶ月くらいを目標とすればモチベーションを切らさず続けられると思います。
日々のやるべきことが決まっていないから
社会人のCさんは毎晩1時間を学習に当てると決め、数ヶ月間毎日机に向かっています。
しかし、その日に何を学ぶかは思いつきで、気になった映画のフレーズを調べてみたり、TEDをみてみたりと、学習内容に一貫性はありません。
週末にイングリッシュカフェなどにも参加しますが、あまり成長を実感せず、このままのやり方を続けていいか悩んでいました。
Cさんの問題は「目標から逆算して、日々の学習スケジュールが組めていないこと」でした。
語学の学び方は人それぞれやり方があっていいとは思いますが、英語の場合にはこういうステップでやっていったら多くの人にとっては最適解だよという方法論がある程度決まっています。
そのため、基本的には自身の目標に合わせながら、そのステップを登っていく必要があります。
ゴールや方法論を度外視して学習を続けるのは、あまり効率がよくないためおすすめできません。
これまでご紹介してきたように、ゴールと期限を定めた後は、そこへ到達するために何をすべきかを考え、そのタスクを1ヶ月、1週間、1日のレベルに分割していきます。
そうすることで初めて「この目標を達成するには毎日このくらいの勉強をする必要があるんだ」と理解することができるようになります。
もちろん、計画通りに進めても思うように伸びないこともあるので、適宜チェックを入れて、質の面でも進捗が付いてきているかを確認して、計画を修正しましょう。
机に向かう前には今日のタスクがわかっていて、後はそれをやるだけという状態にまでできると良いでしょう。
習慣化していないから
就職活動を半年後に控えるDさんは、先輩から「TOEICのスコアがあると就活に有利」との話を聞いてTOEIC対策を開始。
数ヶ月後の試験本番までに目標スコアを取るために、1日3時間の学習が必要と計算ができたものの、なかなか集中力が続かず計画通りに進まなかった。
Dさんの問題は「急に長時間の勉強をしようと思ったこと」にあるのではないかと思います。
話を聞くと、大学1年から3年まではバイト中心で、講義を受ける以外の勉強をほぼほぼしてこなかったとのことなので、学習の習慣付けが改めて必要な段階でした。
慣れてないと長時間の集中や、毎日コツコツと進めるといったことができないので、最初はリハビリ期間を設けてゆっくりとスタートを切るのが良いでしょう。
イメージとしては1週目は1時間ずつ、2週目は2時間ずつ、3週目から3時間ずつというように時間を伸ばしていくことが必要です。
また、毎日同じ時間に歯を磨けばそれほど苦にならないことと同じで、勉強をするタイミングなどもルーティーンにしてしまうのが良いとアドバイスしました。
3時間連続はなかなかきついので、朝に1時間、日中に2時間とかで続けられるとリズムが作りやすいです。
特に朝は急な予定が入りにくいのでおすすめですね。
優先順位をつけられていないから
大学院生のEさんはモチベーションが高く、責任感が強いため、決めたことは時間がかかっても最後までやり遂げるという気持ちで英語学習をしています。
しかし、研究で帰宅が遅くなることや、彼女とのコミュニケーションもあり、当初決めていた時間に英語学習を始めることがなかなかできていないことに悩みを感じていました。
Eさんが改善すべきは「優先順位付け」です。
あれも大事、これも大事という状態では全てが中途半端になりかねません。
「平日のこの時間は研究にあてる」
「休日は彼女と過ごす」
というようにタイミングごとに優先順位をつけ、その時間は集中するという習慣をつけるのが良いでしょう。
私はGoogleカレンダーで全ての予定を管理しているのですが、家族のこと、研究のこと、個人のことで色を分けて優先すべきものがわかるようにしています。
あとはEさんには自分がやらなくてもいいことは極力断るようにした方がいいという話もしました。
人がいいとなんでもお願いされてしまうので、自分が達成したいことに繋がらないことは断って時間を作りましょう。
英語学習を継続するための5つのコツ
継続できない理由ベスト5の裏返しになりますが、次のような行動をとってみましょう!
- 勉強を始める前に明確な目標を立てる
- 目標には必ず期日もつける
- 目標達成に必要なことを、デイリーのアクションにまで落とし込む
- 習慣化させて、やるかやめるか悩む時間をなくす
- 優先順位をつけて不必要なことは捨てる
完璧主義になりすぎず、根気強く続けていく
人間誰でも疲れて何もしたくない日もあると思います。
実際に私もそうで、過去にオンラインレッスンを受けた中で、2回だけ授業の直前に面倒くさくなってキャンセルしてしまったことがあります。
あの時の自分を許せない感情と、後味の悪い感じは忘れられないです。
ただ、もうそういう日は仕方ないと割り切って、風呂に入って寝る。
また次の日からエンジン全開で頑張ればいいのです。
完璧主義になりすぎると、「今日は残タスクが1つある。だめだ…」と感じることもあるかと思いますが、それでもやったことについては進歩なので「80%の進捗だな。OKOK」と前向きに捉えて、進んでいくようにしましょう。
あまり説得力はありませんが、そのくらい楽観的に生きたほうが長期的な目線では進んでいることでしょう。
英語学習のように長い時間が必要なスキルはマラソンに似ているので、疲れた時には止まるんじゃなく、ゆっくり歩くだけでも少しは進んでいくと考えることも重要かもしれません。
スランプは誰にでもやってくることを理解し、自分を俯瞰しながら継続していけると良いですね。
まとめ
英語学習を続けたいのに続けられない人には共通した特徴がありました。
自分の場合はどれに当てはまるのかを考え、そのギャップを埋めるようにアクションを起こしてみましょう。
習慣化した上で起こる気分の波については「そういう時もある」と大目に見て、全体のリズムを崩さない程度に休息をとってみて下さい。