株式投資を学習するにあたり「ファンダメンタルズ分析」や「テクニカル分析」とそれぞれの手法があることは理解できているが、内容が分からず漠然としている人も多いでしょう。
そんな人のために、テクニカル分析において何をチェックポイントにすべきなのかをまとめましたので参考にしていただければ幸いです。
基本用語についてはファンダメンタルズ分析編も合わせてご参考ください。

Contents
テクニカル分析の基礎理解
テクニカル分析とは、過去の株価動向から現時点において株式を「買うのか」「売るのか」を判断する手法のことです。
テクニカル分析に使用するツールは相場の方向性を測定する「トレンド系」と、比較的短期相場のブレを測定する「オシレーター系」に分類されます。
トレンド系の代表的な指標には、「ローソク足」や「移動平均線」、「一目均衡表」などがあります。
一方、オシレーター系では「RSI」や「MACD」、「ストキャスティクス」などがあります。
トレンド系とオシレーター系の指標に関しては、別記事でまとめますのでそちらをご参考ください。
次にテクニカル分析の投資戦略をご紹介します。
テクニカル分析の中でも投資戦略としてあるのが「順張り戦略」と「逆張り戦略」です。
順張り戦略とは、相場が上昇トレンドのときに株式を購入する戦略のことです。
直近ですと「アベノミクス」期間などで順張り戦略が有効でした。
なぜ、アベノミクス期間で順張り戦略が有効だったのかについては別の記事でまとめますのでご参考ください。
逆張り戦略とは、順張り戦略とは反対に株価が下落トレンドのときに株式を購入する戦略のことです。
下落トレンド時に株式を購入する意図には大きく2つあります。
1つは相場の転換(トレンド転換)が狙えること。
もう1つは、下落相場は継続だが、現時点で下落し過ぎているので一定の水準まで戻ると仮定し、その乖離幅を狙えるからです。
注意点で挙げられることとして、相場の転換には大きな材料や莫大なエネルギーを必要とするということです。
具体的には、金利に関する発表が行われた際や、テロ(規模にもよる)、アメリカ大統領であるドナルドトランプの発言などにも注意が必要です。
余談ですが、東洋経済社が発売している「会社四季報」では、時系列で日経平均の株価の動きに合わせ、その時々で起きた大きな材料となる情報がまとめられていますので、気になる方はお近くの本屋さんでチェックしてみてください。
テクニカル分析から分かるシグナル
チャート分析では、ローソクの形、組み合わせ、そして移動平均線の形から売買のシグナルを読み解くことで精度を高めることができます。
まず、下記の記事でも解説したように、ローソク足は日・週・月・年などの任意の期間で、始値や終値など、その株価の基本情報を表しています。

チャート分析を行う際は、ローソク足が連続していくその組み合わせに着目して、今後のトレンドを予想することができます。
数多くある組み合わせパターンの中でも代表的なものをご紹介いたします。
大陽線
大陽線とは、始値から終値にかけて大幅に上がったときの形です。
目安としては、前日比5%以上の上げを目安とすると良いでしょう。
ポイント!
大陽線が出るときは、今後も相場の勢いが強いシグナルとして見るのが一般的です。

大陰線
大陰線とは、大陽線とは逆で始値から終値にかけて大幅に下がったときの形です。
大陽線と同じように、前日比5%以上の下げを目安とすると良いでしょう。
ポイント!
大陰線が出るときは市場が弱気になっている可能性があり、今後も株価が下がっていく確率が高いといえます。

赤三平(あかさんぺい)
赤三平とは、陽線が3本連続で現れる組み合わせのことです。
底値圏で赤三平が見られた際はこれから上昇に転じやすい傾向にあるサインで買いシグナルになります。

三羽烏(さんばがらす)
三羽烏とは、赤三平の反対で陰線が3本連続で現れる組み合わせのことです。
高値圏で三羽烏が見られた際はこれから下落に転じやすい傾向にあるサインで売りシグナルとなります。

ゴールデンクロス
ゴールデンクロスとは、中・長期線が下降後,横ばいか上昇傾向にあるときに,短・中期線がその中・長期線を下から上に突き抜ける場合の形で、買いシグナルとなります。
順番としては、株価が下がってきて底を打ち上昇し始めます。
その株価を追う形で短期の移動平均線も出直り、長期の移動平均線は、緩やかに下がる、または横這いになってきます。
そして、出直った株価と短期の移動平均線は上昇し始め、長期の移動平均線とクロス(ゴールデンクロス)していき、ここから、上昇トレンドになったと判断をすることができます。

デッドクロス
デッドクロスとは、中・長期線が上昇後,横ばいか下落傾向にあるときに,短・中期線がその中・長期線を下に突き抜ける場合の形で、売りシグナルとなります。
順番としては、ゴールデンクロスとは反対で、株価が上昇を続けて天井をつけ下落し始めます。
その株価を追う形で短期の移動平均線も下落し始め、長期の移動平均線は、緩やかに上がる、または横這いになってきます。
そして、株価と短期の移動平均線は下落し始め、長期の移動平均線とクロス(デッドクロス)していき、ここから、下降になったと判断をすることができます。

Column
証券会社が無料提供している株式ツールだと、スクリーニング機能の1つにチャート形状から銘柄選定を行うことができます。
ですので、現在のゴールデンクロスとデッドクロス銘柄を絞った上で分析を始めるのもいいかもしれません。
※スクリーニング
スクリーニングとは、条件で銘柄を絞り込むことです。
複数の条件を組み合わせることで銘柄選定がしやすくなります。
注意点としては、条件指定をしすぎると対象の銘柄がヒットしないことがよくありますので、自分流にゆずれないポイントを見つけてみてください。
参考ツールと指標
Yahoo!ファイナンス
Yahoo!ファイナンスとは、Yahoo!が提供している金融情報のメディアで、サイトだけでなくアプリもあります。
経済ニュースや株式市況、為替レートなどを確認することができるのですが、私は主に株式市況を確認しています。
このメディアの良いところは、個別銘柄の詳細からチャートまでを確認できることです。
チャートでは、トレンド系指標とオシレーター系指標の両方が確認できますので、必要最低限の情報は網羅でき無料で使用できる点がポイントです。
Meta trader
Meta traderとは、MetaQuotes社が開発したFXのチャートソフトです。
このチャートソフトでは、F X取引はもちろん、CFD取引や金などの取引も可能です。
おすすめポイントは、テクニカル分析に必要なツール(インジケーター)がほとんど揃っている点とその使いやすさです。
私の場合は、Meta traderの中でもMT4を使用しており、取引を行うのではなくチャート分析のみに使用しています。
スマートフォンとPCの両方に対応しており、私はスマートフォンで使用しています。
多くのFX業者から信頼を得ており、traderにも幅広く活用されていますのでぜひご参考ください。
NYダウ平均株価
NYダウ平均株価とは、アメリカの市場に上場している代表的な30銘柄を平均化した株価のことです。
常にアメリカ市場は投資家の注目の的となっており、世界へ及ぼす影響値が大きいのが特徴です。
ですので、アメリカ時間でNYダウ平均株価が大きく下げた翌日の日本市場は株価が下がり安い傾向にあったりします。
具体的にはどれほど相関が強いかで連動性を確認することができ、必ずしも似たような動きをするわけではありません。
NYダウ平均株価は、主要指標(日経平均株価など)との比較対象になるためチェックを行うようにしましょう。
日経平均株価
日経平均株価とは、日本を代表する225銘柄で構成された株価の平均値で、多くの投資家が注目している指標のことです。
225銘柄の内訳は35業種それぞれを代表する銘柄で構成されています。
日経平均株価の採用銘柄は、日本経済新聞社が株式市場の売買高、産業分類間でのバランスなどの独自の基準を設けて選んでいます。
原則として年に1回、10月の第一営業日に構成銘柄の見直しが行われており、採用銘柄間の合併や倒産などがあった際は、臨時で銘柄補充が行われることがあります。
ここがポイント!
銘柄の入れ替えで採用された銘柄は、株価が上がりやすい傾向にあります。
なぜなら、前述の通りで多くの投資家が注目されている指標で、日経平均構成銘柄に採用されることで、日経平均に連動して運用する機関投資家などの買いが予想されるためです。
ですので、日経平均に採用されそうな銘柄を、じっくり分析していくのも投資視点として有効かもしれません。
入れ替えが行われるということは、反対に構成銘柄から外れる銘柄もありますので、外れる銘柄においては株価が下がりやすい傾向になることを覚えておきましょう。
VIX指数(恐怖指数)
VIX指数の特徴は、投資家心理を示す数値として利用されていることです。
その特徴から別名「恐怖指数」と呼ばれています。
VIX指数の数値が高ければ高いほど相場の先行きに不安が生じている状態を表します。
気になった方はぜひコロナが発生し始めた期間やリーマンショック 、アメリカ同時多発テロなど大きな出来事が生じた期間のVIX指数をチェックしてみてください。
まとめ
テクニカル分析を行う上で基礎理解から代表指標、そして私が実際に参考にしているツール、指標についてまとめました。
「テクニカル分析から分かるシグナル」でご紹介した代表シグナル以外にも、重要視されているローソク、組み合わせ、移動平均線の形はまだまだございますので、今後ご紹介できればと思います。
参考ツールと指標に関しては、活用していてメリットしかないものとなっておりますので、ぜひご活用いただきたいです。
Meta traderに関しては、FX口座を開設しないと使用できないハードルはございますが、デモ口座の開設だけでも活用できます。
実際私も、XMという海外FX業者でデモ口座を開設してMT4を活用しております。
デモのため、トレードの練習も行えるためおすすめです。
以上、投資に興味がある方は今回の記事もご参考にしていただけると幸いです。