株式投資を行う上では、「知識」と「経験」がとても重要になります。
これまでは「テクニカル分析」や「ファンダメンタルズ分析」といった知識部分でいくつか記事を紹介してきました。

経験部分で情報を得るためには、その世界で結果を残してきた人々の「格言」を知ることが近道でしょう。
そこで今回は「投資スタイル・売買タイミング」に関する格言についてまとめています。
Contents
投資スタイルにおける格言
けなり売り、けなり買い、なすべからず
「けなり」とは、「うらやましい」という意味です。
他の投資家が儲かったという情報を聞くと、羨ましがって自分もその人を真似て取引を行うことを「けなり商い」と言いますが、この格言は、「けなり商いを行ってはいけない」という意味になります。
その理由は、自分の中で確立したルールに基づかず、冷静な判断をしていないからです。
記憶にも新しい事例だと、仮想通貨ビットコインなどがその例です。
ビットコインで億を達成した人を「億り人」と言いますが、この言葉が流行ると同時期に仮想通貨市場に参入した人達は多かったと思います。
しかし、その頃にはビットコインの価格は天井をつけ見事に下落したことから、当時参入したばかりの人々は確実に元本を減らしたことでしょう。
ですので、この格言からも学べるように「けなり商い」は行わず、自分ルールに従って投資を行いましょう。
命金には手をつけるな
この格言は基本中の基本ですね!
「命金」とはその言葉通りで、生活費などのなくてはならないお金のことを意味しています。
株式投資を行う際は、「命金」で行うのではなく、「余裕資金」で行いましょう!と言い聞かす格言ですね。
株式市場は自分の思い通りになることはほとんどありません。
ですので、思わぬ方向に進み後戻りができなくならないように安全な資金運用を行いましょう。
株式投資の成功者と失敗者についてはこちらの記事にまとめていますので、併せてご参考ください。

売買タイミングにおける格言
売りは早かれ、買いは遅かれ
この格言を理解する上で覚えておきたいことは、株価の上昇速度と下落速度では明らかにスピードが異なるという点です。
一般的に、「下落速度の方が、上昇速度よりも3倍早く動く」と言われています。
つまり、「上昇中であれば買いのチャンスが何度か巡ってきますが、売り時を見失うとあっという間に株価は下落し、売ろうにも売れない状況になる」ということです。
また、人の心理上、利益が出ているときはもっと利益を伸ばそうと利益確定をしなかったり、損が出ているときは、まだ上昇すると期待して、損切りできないことが多いです。
根拠に基づいての判断を行っているのであれば良いのですが、感情だけでトレードをしてしまうと高確率で失敗します。
ですので、売りの際は欲張らずに下落の兆しが少しでも見えたら利益確定を、買いの際は、粘って粘って買いの兆しが見えたら購入をしましょう。
山高ければ谷探し
株価は、どのような動きをして進むのでしょうか。
「常に上昇し続ける」、「常に下落し続ける」、ということは滅多になく、基本は「上下に緩やかなカーブを描きながら推移」します。
まさに、山と谷を描くイメージです。
ここで押さえたいポイントは、株価の変動において、同じくらいのインパクトで山も谷も描くということです。
ですので、「大きく上昇した株価は、変動幅が同じくらい下降する可能性がある」ということに注意をしておきましょう。
押し目待ちに押し目なし
株式投資をしているとよく耳にする有名な格言の1つです。
基本的に株価は上下運動を繰り返して推移しますが、上昇トレンド時でも前進を続ける途中で休憩が入るものです。
つまり、利益確定の売り圧力が高まり、株価が下落するのですが、上昇トレンドではそのタイミングを「押し目」といって、絶好の買いチャンスになります。
しかし、上昇トレンドが強すぎる局面だと「押し目」と判断できるほどの調整も入らないままひたすら株価が上がり続けることも珍しくありません。
そしてこれが驚くことに、「押し目で絶対買おうと心に決めている時こそ、押し目がこないもの」なのです。
利食い千人力
利食い千人力とは、利益確定をオススメする格言になります。
利益が出ていると、もっと利益を伸ばせると思い込みうまく確定できなかったりするものなので、「早めに利益を確定させておきましょう」という意味です。
また、利益を確定した後で、さらに株価が上昇して、もっと利益を伸ばすことができたのにと、後悔をすることがあります。
そのような時に、この格言を思い返すと、損をしてないんだからポジティブに行こう、という励ましの言葉にも聞こえますね。
見切り千両
損失を出しているときの対応は投資家によって様々です。
潔く損切りをする人、どうにか上昇して欲しいと期待を込めて持ち続ける人、下がったところをさらに購入(ナンピン買い)して購入額単価を下げることで損失を減らそうとする人など、様々です。
分かっていることとしては、株式市場に長くいる人(上級者)ほど潔く損切りを行い、初心者ほど損切りせずに持ち続ける(塩漬け)傾向にあるということです。
なぜ、損切りを行うのかと言いますと、機会損失を生まないためです。
例えば、絶好の買いチャンスが訪れている中、資金に制約が生じるとエントリーチャンスを逃すケースです。
ですので、「株式投資では損切りも必要経費の1つとして捉える」ようにしましょう。
もちろん、なぜ損切りに至ったのかを深掘ることが大切です。
夜明け前が一番暗い
株が下がり続けていると、もうそろそろ底値で転換するのではないかと思うものです。
また、「人の行く裏に道あり 花の山」の格言にもありましたように、下がっている中でも勇気を出して購入した人が、多くの利益を出すことができるのですが、何が起こるかわからないのが株式市場です。
この格言では、「そろそろ転換だと思った時ほど、さらに下落が待っている」という意味になりますので、慎重に判断を行いましょう。
もうはまだなり、まだはもうなり
この格言は、「底値に思えるときほど、まだ下落があるのではないかと想定し、反対にまだ落ちるだろうと思えるときほど、もう底値かもしれないと注意をしよう」という意味です。
つまり、株式相場において主観による判断というのがいかに危険かを知らせる格言になります。
ですので、強い根拠を持って今が底か天井なのかを判断しましょう。
例えば、金や為替との連動性や、チャートの形、指標が出すシグナルなど複数の根拠を持つことで自信のあるトレード、より失敗しないためのトレードができるでしょう。
まとめ
たくさんの格言を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
売買タイミングに関する格言を見ていると、株式市場において主観とは逆の結果になることが多いのかなと、思われる方もいるでしょう。
結論、実際にやってみると分かるのですが主観とは逆になることが多いです。
ですので、大きな投資判断をする際は、格言にある内容もふまえて今一度その判断が正しいのか確認することをオススメします。
以上、本記事もご参考になりますと幸いです。
「相場観・銘柄選定」に関する格言についてもまとめていますのでそちらもご参考ください。
