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株式投資を行う上で理解しておくべき基本用語-ファンダメンタルズ分析編-

株式投資を学習するにあたり「ファンダメンタルズ分析」や「テクニカル分析」という手法は聞いたことがあるけど、内容が分からず漠然としている人も多いでしょう。

そんな人のために、それぞれの基本用語の説明や、何をチェックポイントにすべきなのかをまとめました。

決算書の基本用語と理解

ファンダメンタルズ分析を行う上で欠かせないことが、投資をしようとしている会社自身をよく知ることです。

そこで、確認するべきなのが「決算書」です。

決算書は、会社の成績表のようなもので、大きく分けて、

・貸借対照表(Balance sheet)

・損益計算書(Profit and loss statement

・キャッシュフロー計算書(Cash flow statement)

からできています。

ここからは、それぞれのチェックポイントとその解説をしていきます。

 

貸借対照表(Balance sheet)

貸借対照表とは、

・会社は何を所有しているか(資産)

・会社は何を借りているか(負債)

・会社の価値はいくらか(自己資本)

の3つから構成されており、「会社のお金の流れ」を表すと同時に、「健全な会社かどうか」を判断することができます。

※資産=負債+自己資本という関係が常に成り立つ

 

貸借対照表には、多くの項目がありますがその中でも重要度の高い項目が、「総資産」「有利子負債」「自己資本」「自己資本比率」「資本金」「利益剰余金」の6つです。

総資産

会社が持っている全財産のことで、会社の規模を知ることができます。

有利子負債

有利子負債とは貸借対照表の負債項目のうち、利子を支払わなければならないもののことです。

具体的には借入金や社債のことで、倒産の大きな要因の1つは借金が返せなくなることによるものです。

したがって、有利子負債が多額である企業はそうでない企業より倒産リスクが高くなります。

ただし、多額の有利子負債があっても、キャッシュもそれなりに保有していれば、突然資金繰りに支障をきたす恐れは少ないと判断できます。

ですので、有利子負債の額と現金同等物の額を比較してリスクの程度を判断することが必要です。

自己資本

株主に帰属している資産がどれだけあるかを示しており、その中身は大きく分けて資本金と利益剰余金より構成されています。

自己資本比率

会社の安全性が分かり、算出方法は、自己資本/総資産です。

自己資本比率が高ければ、負債に対する依存度は低いと判断できます。

会社の成長には、株主のお金に負債も活用してレバレッジ を効かせることで成長する必要がありますが、自己資本比率の高さは財務の健全性を示します。

同時に、会社が持っている財産の持ち主が誰なのかを表す比率にもなりますので、自己資本比率が9割であれば9割は株主のものだと言えます。

良し悪しを判断する方法としては、同業他社との比較や、有名な会社を参考にするよ良いでしょう。

私は、70%以上なら◎、50%以上70%未満なら○、30%以上50%未満なら△、30%以下なら×と判断しています。

資本金

主に株主が会社に払い込んだお金で事業の元になる資金です。

利益剰余金

利益余剰金から、会社が過去にどれだけ利益を上げてきたかが分かります。

会社は毎年、利益から株主への配当などを行い、残りを利益剰余金として積み上げていきます。

本来であれば利益は全て株主のものになるのですが配当などを差し引いて残った利益は「内部留保」と言って、これからの成長のためにお金を残しておきます。

損益計算書(Profit and loss statement

損益計算書では、「収益」と「費用」、その差額である「損益」から構成されており、「儲かっている会社かどうか」を確認することができます。

貸借対照表が財産の状態であるストックを表しているのに対し、損益計算書は営業成績なのでフローにあたる経営成績を表しています。

損益計算書を作成する上で欠かせない項目が、「売上高」「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「純利益」ですが、これに「1株益」と「1株配」を加えた項目をチェックポイントとして確認します。

売上高

会社が儲かっているかどうかを示すのは「利益」ですが、売上高をなくしては利益は生まれません。

売上高が伸なくても利益が伸びていればいいのではないか、と思われる方もいると思いますが、売上高に変化がないまま利益を伸ばすには限界があります。

なぜなら、固定費や変動費(人件費)を抑制するしかないためです。

ファンダメンタルズ分析で中長期での投資を行うのであれば、今(現在)だけではなく過去と未来(将来性)を予測して投資を行う必要がありますので、ここ数年横ばいや下落で推移していて、継続的に売上高を伸ばせていなければそれは将来性に欠けると判断することができます。

会社の経営状況を判断する際は、売上高の伸びを見ると同時に、利益の動きをバランス良く確認するために売上高営業利益率をチェックすると良いでしょう。

算出方法は、営業利益/売上高です。

売上高利業利益率の高い会社は、競争力を備えた強い商品や事業を持った会社だと言えます。

ネット企業やサービス企業はあまり売上原価がかからない事業ですので、売上高営業利益率は高くなりやすい傾向にあります。

この指標も同業他社との比較や、有名な会社を参考にする必要がありますが、10%以上を目安に設定しておくと良いでしょう。

営業利益

営業利益は、売上高から売上原価と販売費及び一般管理費を差し引いたもので本業での儲けを示しており、損益計算書の中で最も重視すべき数字です。

※売上高から売上原価を引いたものを「売上総利益」と言います。

当然、本業での利益を出し続けることが会社の在り方として理想の形ですので、営業利益の増減が株価に大きな影響を与えます。

営業利益に限ることではないですが変化率にも注目する必要があり、前期や前々期との比較も行ってチェックをする必要があります。

経常利益

経常利益は、営業利益に本業以外の収益と費用を含めて計算します。

例えば、「有価証券の売却損益」や「不動産の売却」などで一時的な収支を含めています。

ですので、営業利益が悪いのに経常利益が良くなっている場合は、本業以外での儲けが大きいと判断できますので、将来性に欠けると判断ができます。

経常利益から税金を支払った残りが当期純利益で、当期純利益を発行済株式数で割った数値を「1株あたり当期純利益」と言います。

1株あたり配当金

配当は、個人だけでなく、機関投資家を含め、中長期保有の投資家が重視する指標でもあります。

配当金から読み解けることとしては、会社の成長初期は資金を必要としていることが多いため利益から配当に回すより、再投資に回すケースが多くあります。

それが徐々に安定成長期に入るに従い、配当政策も変えていきます。

ですので、成熟している会社ほど配当金が高かったり、電力会社など安定的な収益を得られる会社には配当金が高い傾向があります。

配当は、会社の成長段階について経営者の意思を確認する指標とも言えますのでしっかり確認しておきましょう。

経営者は、株主から預かった財産である自己資本を、1年間の純利益を通じて、どれだけ増やすことができたかで評価されます。

ですので、損益計算書を読み解きながら評価の高い銘柄(会社)を見つけてもらえればと思います。

キャッシュフロー計算書(Cash flow statement)

貸借対照表に記載されている「現金及び預金」において、そのお金がどのように増減したかを説明するのがキャッシュフロー計算書です。

キャッシュフロー計算書は、本業の営業での稼ぎ(営業CF)を投資に回し(投資CF)、その過不足を財務で調整する(財務CF)の構成になっています。

営業CF

本業の営業活動を通して得たお金の増減で、プラスであれば本業でお金を獲得できており、それを原資とすることで設備投資や負債の返済も可能だと判断できます。

マイナスの場合は、本業でお金を失っていることを意味しており、事業の継続性に問題があるということです。

また、マイナスの会社については、その要因を把握しておく必要があります。

営業CFがマイナスかつ営業損益が赤字であれば、本業の不振ということで理由が明確ですが、利益を出しているにもかかわらず、営業CFがマイナスなケースも考えられます。

その要因は、売掛金の回収が遅れていることや在庫の膨張などが考えられ、良い状況ではありません。

営業CFも他の指標同様にこれまでがどうなのかを確認する必要がありますので、マイナス続きの会社などには注意しましょう。

投資CF

お金をどのように投資に使ったか、または投資からどのようにお金を回収したかを表します。

成長企業であれば、投資を続けることで事業を拡大させていきますので、投資CFはマイナスになります。

一方、成熟企業では資産の売却の方が多くなればプラスになります。

ですので、多くの企業の投資CFはマイナスになっています。

ここで確認すべきは、営業CFの範囲内で投資CFを抑えられているかで、過剰な投資を行っていないかをチェックする必要があります。

この範囲内で投資をしていれば外部からの資金調達は不要ですので財務体系は悪化しませんが、範囲外であれば財務CFを通じて資金調達が必要になります。

財務CF

上記2つのCFの結果、お金の余剰や不足が生じ、それを補うのが財務CFです。

財務CFには、有利子負債による資金調達や増資による資金調達などがありますが、借入金を増やせばお金は増えますし、返済すればお金は減少することを理解しておきましょう。

参考ツール

ファンダメンタルズ分析を用いて銘柄選定を行う上で約3,800社ある中から探し出すのはとても至難です。

そこで私が使用しているツールをご紹介しますので、興味のある方はぜひ参考にしていただければと思います。

会社四季報

会社四季報の最大のポイントは、「業界担当記者の取材によって、それぞれの会社が持つクセを読み解き、独自予想をしている」ことです。

また、四季報予想が会社計画より強気の会社にはマーク(😄)がついているので、初心者にも銘柄を見つけやすい仕様となっております。

会社の基本である、健全性、収益性、将来性の情報がコンパクトにまとめられていますのでファンダメンタルズ分析を行う上でとても役に立つツールの一つです。

業界地図

業界地図の最大のポイントは、今勢いのある注目業界を知ることができ、その業界の中でも具体的にどの企業が引っ張っているのか、どのような取り組みを起こしているのかをコンパクトかつ分かりやすく記載していることです。

また、業界ごとに業績の動向を天気予想としてマークしてくれていますので、好調、不調の業界を一目で分かる仕様になっています。

私が個人的に読むポイントとしては、「記者のチェックポイント」という項目で抑えておくべきキーワードやその業界の図解などが充実しているため+αの知識として役立てています。

お金に余裕がある方はぜひ、業界地図も手に取り銘柄探しのツールとして活用してください。

まとめ

今回の記事では、株式投資の2大手法の1つである「ファンダメンタルズ分析」を行う上で、これだけは覚えておきたい基本用語とそのポイントをまとめました。

全て覚えておきたいのが正直なところですが、私が特に重要としているポイントが、以下です。

・貸借対照表(Balance sheet)

 ┗自己資本比率

・損益計算書(Profit and loss statement)

 ┗売上高

 ┗売上高営業利益率

 ┗営業利益

 ┗1株当たり当期純利益

・参考ツール

 ┗会社四季報

上記は必須項目としており、過去3年間の推移と将来予想から銘柄選定を行っております。

会社四季報に関しては、有料ですが一度手にしてみても面白いと思います。

また、有料という部分がネックになっている方は、証券口座を開設しておけば四季報の情報が確認できますので、そちらからだと無料で活用することができます。

上記を踏まえ、本記事が参考になりますと幸いです。