海外留学・海外移住を検討する方にとって、ビザの申請は大きな関門の1つです。
訪れる国によって申請に必要な書類や手続きが異なるため、前もって念入りに準備をする必要があります。
そこで本記事では、ビザ申請に必要な情報の1つである「英語力の証明」について必要なスコアの具体や申請にあたっての注意点などを詳しく解説します。
海外留学や海外移住を検討している方におすすめの内容となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
ビザ申請に英語力の証明は必須?
英語圏の多くのビザ申請で、英語力の証明が必要となります。
求められるスコアは国・ビザの種類(渡航の目的)によって異なりますが、留学・移住しても不便のない最低限の英語能力があることを証明する必要があります。
英語力の証明にはIELTSがおすすめ
この「英語力の証明」にあたって有効な英語能力試験は、国によって異なります。
しかし、以下の2つの理由から海外留学・移住の検討時にはIELTSの受験をおすすめします。
①多くの国のビザ申請に有効
IELTSの強みは、多くの国のビザ申請・大学(院)入学申請で有効であるという点です。
例えば、大学院入学時に英語力の証明としてTOEFLまたはIELTSのスコアの提出が求められます。
しかし、大学院にTOEFLスコアを提出したとしても、留学・移住したい国のビザ申請にTOEFLが使用できない場合には結局IELTSの対策もせねばならず、試験を2つ受験する必要があります。
そのため、大学院への提出・ビザ申請のどちらにも有効なIELTSを受験することで、1つの試験対策で2つの申請が可能です。
ただし、大学院によってはTOEFLのスコアしか受け付けない場合もありますので、進学先に必要な試験が何かをあらかじめしっかり確認しておきましょう。
②他の試験と比較して得点を伸ばしやすい
IELTSはパートごとに特性をもった英語試験です。
そのため、自分の弱点となるパートを把握し重点的に演習をすることで得点力のアップが可能です。
総合的な力が試されるTOEFLと比較して、学習の課題・目標が立てやすい点から、他の英語試験よりも得点を伸ばしやすいと言えます。
その他にもさまざまな理由から、IELTSの受験をおすすめします。
以下の記事で、TOEFLと比較したうえでIELTSの学習をおすすめする理由をまとめています。
どちらの英語試験でビザ申請をしようか検討している方は、ぜひ以下の記事もご一読ください。

ビザ申請の目的に合ったIELTS試験を受ける必要あり
IELTSには「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」の2種類があります。
アカデミック・モジュールは大学(院)をはじめとする進学を目的とする方向けの試験です。
ジェネラル・トレーニング・モジュールは海外移住や就職など、学業以外の渡航を目的とする方向けの試験です。
2種類のIELTS試験のうち、自身の目的(留学/移住)に合った試験を受験する必要があります。
また、イギリスへの留学・移住を希望する場合には、IELTS for UKVI(英国ビザ申請用IELTS)を受験する必要があります。
IELTS対策は専門スクールでの学習が近道
留学や移住にはさまざまな手続きをはじめ、準備に時間がかかります。
その中で並行して独学で英語学習をするのは、精神的にも時間的にもやや負荷が高いと言えます。
そこでおすすめなのが、オンラインのIELTS対策専門スクールの活用です。
オンラインで授業が受けられるため、忙しい毎日の中でもスキマ時間を活用して受講が可能です。
また、先述の通りIELTSはパートごとに対策が明確になっていることもあり、プロの指導を受けながらポイントに絞った学習をすることで目標スコア到達への近道となります。
当サイトの以下の記事で、おすすめのIELTS対策専門スクールについて記載していますので、ぜひこちらもご覧ください。

【目的別】ビザ申請に必要なIELTSスコアの目安とは?
では実際に、ビザ申請にはどのくらいのIELTSスコアが必要なのでしょうか。
以下で、目的別のスコアの目安を解説します。
学生ビザ
学生ビザの申請は、多くの国で「入学証明書」が必要となります。
すなわち、大学入学にあたって必要な英語力=学生ビザ取得に必要な英語力証明となる場合が一般的です。
以下に、国別の大学・大学院進学にあたって求められるIELTSスコアをまとめています。
イギリス | Student visa(学生ビザ)申請にあたって入学証明書・英語力証明が必要
大学・大学院への入学申請に必要なIELTSスコアの目安は以下 【大学】オーバーオールスコア6.0-6.5 ※最終学歴や専攻によって異なる 【大学院】オーバーオールスコア7.0- |
アメリカ | 学生ビザ(F-1、M-1)申請にあたって、留学先の入学証明書が必要
大学・大学院への入学申請に必要なIELTSスコアの目安は以下 【大学】オーバーオールスコア5.5- ※コロンビア大学など難関大学は8.0など高スコアが必要な場合もある 【大学院】オーバーオールスコア6.0- |
カナダ | Study visa(学生ビザ)申請にあたって入学証明書が必要
大学・大学院への入学申請に必要なIELTSスコアの目安は以下 【大学】オーバーオールスコア6.0-6.5 【大学院】オーバーオールスコア7.0- |
オーストラリア | Student visa(学生ビザ)申請にあたって入学証明書が必要
大学・大学院への入学申請に必要なIELTSスコアの目安は以下 【大学】オーバーオールスコア6.0-7.0 【大学院】オーバーオールスコア6.5-7.5 |
就労ビザ
以下に、就労ビザ取得にあたって求められるIELTSスコアをまとめています。
職種や雇用方法、ビザの種類によって詳細な要件に規定がありますので、あくまで目安としてご覧ください。
イギリス | 就労ビザ申請にあたって規定のポイントが必要
→IELTSスコアはこのポイントの算出に関わるため、その他の項目でどれだけポイントを得られているかによって目標となるIELTSスコアが異なる |
アメリカ | 就労ビザ申請にあたってIELTSスコアは不要
*ただし、企業就職にあたってIELTSスコアに規定がある場合がある *または大学の学位や実務経験が求められる |
カナダ | 就労ビザ申請にあたってはCanadian Language Bench Markが必要(以下CLBスコア)
・Federal Skilled Worker Program(熟練労働者プログラム)でのビザ申請:CLBスコアで7以上(≒IELTS6.0程度) ・Canadian Experience Class(カナダ経験クラス)でのビザ申請:CLBスコアで7または5以上(≒IELTS6.0/IELTS5.0程度) ※スキルレベルによって異なる |
オーストラリア | ・Short-Term stream(2年間の短期就労ビザ):各セクションのスコア4.5以上+オーバーオールスコア5.0以上
・Medium-Term stream(4年間の中期就労ビザ):各セクションのスコア5.0以上+オーバーオールスコア5.0以上 ・就労ビザ482(DAMA):職業により異なる(※職業によってはIELTSスコアが不要なものもある) |
永住権
永住権(永住ビザ)の申請は各国の制度及び就労の形態によって細かく規定が異なります。
そのため、渡航先の永住権取得の条件を詳細まで確認する必要があります。
当サイトの以下の記事で、海外永住権を取得するにあたって必要なIELTSスコアを国別にまとめておりますので、ぜひこちらもご一読ください。

ビザ申請はいつごろまでに行うべき?
最後に、ビザ申請のスケジュール感についてお伝えします。
「渡航の予定は決まっているが、ビザが取得できていない…」となりますと、留学先や就職先に大きな迷惑をかけてしまうため、ビザ申請は計画的に行いましょう。
ビザ発行は2週間~4週間程度かかる
申請先の国や時期にもよりますが、ビザの申請~発行までには通常2~4週間ほどかかります。
もちろん、上記の期間は申請内容や書類に問題がない場合の期間のため、申請内容に不備がある場合や書類の再提出が必要な場合にはさらに日数が必要となります。
入国に影響がでないように、最低でも1か月前までにはビザの申請を済ませておくことをおすすめします。
ビザ申請のためのIELTS対策は必然的に早めに行う必要がある
上記から、IELTSスコアはビザ申請のさらに1か月半前には取得しておくことをおすすめします。
IELTSのスコアは、ペーパー版は試験日から13日後、コンピューター版は試験日から3-5日後に発効され、その後郵送となります。
しかし、証明書の到着までに7日程度かかること、また目標のスコアに未達の場合は再度受験が必要なことから、およそ1か月半前までにはIELTSの受験をしておくことをおすすめします。
したがって、IELTS対策の英語学習はさらにさかのぼって1年~半年前から計画的に行う必要があります。
当サイトの以下の記事では、IELTSの問題形式や受験にあたって必要な基礎知識をまとめています。
これからIELTS対策を始めようという方はぜひこちらもご覧ください。

まとめ
ビザ申請は必要書類も多く、また時間もかかる場合が多いため、前もっての綿密な準備が必要です。
渡航直前に慌てることのないよう、早めの準備が可能な英語学習から準備を進めることをおすすめします。