英語学習

IELTSとTOEICの違いは?問題形式や目的を分かりやすく解説

英語力を測るテストはいくつかあります。

大学進学、留学、転職活動などを目的に、それらの受験をお考えの方も多いのではないでしょうか。

ただそれと同じく「どのテストを受験すればいいの?」とお悩みの方も多いはず。

そこで今回は、IELTS、TOEICという2つのテストについてご紹介したいと思います。

問題の形式、テストを受験する目的など、さまざまな項目を比較しながら、テストの違いをわかりやすく解説していきたいと思います。

1.IELTSとTOEICとは?それぞれの特徴

はじめに、IELTSとTOEICとは何かをご紹介します。

まずはそれぞれの特徴を把握していきましょう。

1-1. IELTS(アイエルツ)とは?

IELTS(アイエルツ)とは、International English Language Testing Systemといって、イギリスとオーストラリアの団体(ブリティッシュ・カウンシル、IDP:IELTS オーストラリア、ケンブリッジ大学英語検定機構)が共同で運営しているテストです。

このIELTS は、140ヵ国、合計10,000以上の機関に採用されているテストで、留学における英語力の証明や、就労、海外移住の申請などに使われています。

日本でも受験をする人が増えており、世界的には、英語力の試験といえばIELTSと考えられるようなテストです。

1-2. IELTSの特徴

IELTSの特徴は、採用している国や機関が多いという点にあります。

そのため海外への留学、就労、移住をするときに必要な、英語力の証明に最適のテストとされています。

また、面接官によるスピーキングのテストもあるなど、使える英語という点に重きを置いたテストでもあります。

イギリス、カナダ、オーストラリアといった国ではほとんどの大学や機関が認定しており、TOEFL(トイフル)という英語テストが主流のアメリカでもIELTSを認める機関が増えているなど、英語圏で高い信頼をもつのが特徴です。

・採用している国や機関が多い

・海外への留学、就労、移住の申請で使える

・使える英語という点に重きを置いている

1-3. IELTSの問題形式

IELTSには、IELTS Academic(アカデミック・モジュール)とIELTS General Training(ジェネラルトレーニング・モジュール)という2種類のテストがあります。

アカデミック・モジュールとは、英語圏への留学を目的としたテストです。留学先の入学レベルに達しているかをアカデミックで評価されます。

問題はリスニング(30分)、リーディング(60分)、ライティング(60分)、スピーキング(10~14分)の4つのパートからなり、学術的な問題が多いです。

対するジェネラルトレーニング・モジュールとは、英語圏での就職もしくは移住を目的としたテストとなります。

問題はアカデミックと同じくリスニング(30分)、リーディング(60分)、ライティング(60分)、スピーキング(10~14分)の4つのパートからなり、日常生活や職場でのやり取りにかかわる問題が多く出題されます。

アカデミック・モジュール

・アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドへの留学目的

・リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのパートからなる

・おもに大学の講義、論文といった学術的な問題が多い

ジェネラルトレーニング・モジュール

・オーストラリア、カナダ、ニュージーランドへの移住、もしくは就労目的

・リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのパートがある

・日常生活や職場でのやり取りに関する問題が多い

1-4. IELTSで求められる能力

IELTSで求められる能力は、アカデミックとジェネラルトレーニングで少し異なりますが、どちらもリスニングやリーディングといったインプットだけでなく、ライティングやスピーキングといったアウトプットといった総合力が必要となるテストです。

そして何より(この点が重要となります)IELTSは英語に関する知識や文法の理解を測るテストではなく、あくまで「使える英語」としてその力をスコアで数値化するテストだということです。

そのため、

  • リスニングやリーディングでは情報を正確に聞き取る力
  • ポイントとなる情報を読み取る力
  • ライティングやスピーキングでは論理的に説明する力
  • 自分の考えをきちんとまとめ発信する力

などが求められます。

その点は、これまで日本で学んできた英語と大きく変わってくるものなので、きちんとした学習、対策というのがIELTSには求められてきます。

1-5. TOEIC(トイック)とは?

TOEIC(トイック)とは、Test Of English for International Communicationといって、アメリカのETSという非営利団体が開発し、日本のIIBC(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)という団体が運営しているテストです。

オフィスや日常生活で使える英語の測定を目的とし、世界160か国でテストが行われています。

また、受験者の3割以上が日本で占められており、日本の大学や企業の多くが英語力を判断する基準としてTOEICを利用しています。

1-6. TOEICの特徴

TOEICの特徴は、日本における支持率が高いことにあります。

英語力を求める企業のほとんどがTOEICのスコアを参考にするなど、日本での就職活動、キャリアアップでの強みとなるテストです。

また契約書やメールの読解、丁寧な表現など、ビジネスシーンで使われる英語に重きを置いているという点も特徴のひとつです。

どちらかといえば、国外で活躍するというよりは国内で英語を使った仕事をするという方が受験するテストといえます。

・日本人が最も受験しているテスト

・就職活動やキャリアアップで使える

・ビジネスで使う英語に重きを置いている

1-7. TOEICの問題形式

TOEICには、TOEIC® TestsとTOEIC Bridge® Testsという2種類のテストがあり、それらもさらにListening & Reading Tests(L&R)とSpeaking & Writing Tests(S&W)に分けられています。

TOEIC® Testsはビジネスで使われる英語を測るテストで、TOEIC Bridge® Testsは、日常生活で使われる英語を測るテストです。

これらの中で、最も一般的なのはListening & Reading Tests(リスニング&リーディングテスト)で、9割以上がこのテストを受験しています。そのためTOEICといえばTOEIC L&Rのことを指すことが多くなり、こちらでもTOEIC L&R(以下TOEIC)で話をすすめていきます。

TOEICは、パート1から4までのリスニング(45分)パート5から7までのリーディング(75分)に分けられ、解答はすべてA~Dの中からひとつを選ぶ、マーク式の選択問題となっています。

・受験されるTOEICはリスニング&リーディングがほとんど

・パート1~4のリスニング(45分)パート5~7のリーディング(75分)

・マーク式で、すべてが選択問題

1-8. TOEICで求められる能力

TOEICで求められる能力は、英語の基礎となる単語や文法の知識、そしてスピーディに情報をどんどん処理していく力です。

リスニングに関してはポイントとなる情報を掴みとる力が必要で、長い文章から要点を聞きとる必要があります。

リーディングでは、文法といった基礎能力とたくさんの情報を短い時間でスキミングという力が必要となります。

またTOEICでは、英語圏におけるビジネスのルールなども知っておく必要があります。

ビジネスメールやレジュメ、発注書など、仕事のやりとりで使われる書類の形式などにもある程度の知識が必要です。

2.IELTSとTOEICの違いを徹底解説

ここからは、IELTSとTOEICを比べながら違いを見ていきたいと思います。

テストを受ける目的をはじめ、受験の費用や手続きの方法などを詳しく解説していきますね。

2-1. 目的 – テストを受ける目的の違い

テストを受ける目的の違いは、海外で活用をするか国内で活用するかの違いです。

IELTSが、留学や海外勤務を目的として受験するのに対し、TOEICは、国内で企業に応募するためやキャリアアップで英語力を証明するために受験します。

そのため留学や海外勤務を考えている方はIELTSを、日本での就業やキャリアアップを考えている方はTOEICを受験するという傾向にあります。

2-2. 実用性 – どのような場面で使えるかの違い

IELTSは、海外での実用性が高いです。

IELTSのスコアを持っていると世界各国の大学への留学が可能となりますし、高いスコアを持っていれば海外への移住もできます。

またテストのつくりから、アカディミックな英語、日常生活で使う英語といった英語力を身につけることができるので、使える英語の幅はかなり広いと思います。

対するTOEICは、日本での実用性が高いです。

TOEICのスコアを持っていると、日本の外資系企業や大学へ応募するときに活用できます。

またTOEICを学ぶことでビジネス英語や英語圏での書類手続きの例などを学ぶことができます。

しかし海外の大学や企業では、ほとんど認められていないというデメリットもあります。

2-3. 試験問題 – 問題の形式、出題分野、対策法の違い

IELTSとTOEICの試験問題は問題の形式もそうですが、出題分野や対策法も大きく違ってきます。

問題の形式の違い

IELTSはリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのパートがあり、合計2時間55分の時間で行われます。

結果は1.0から9.0までの0.5刻みのバンドスコアで測定されます。

記述式で行われ、スペルミスなども減点対象になります。

対するTOEICは1~4のリスニングパート、5~7のリーディングがあり、試験時間は2時間です。

結果は最高990点という数値で出されます。

すべてマーク式の選択問題です。

IELTS

・リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのパート

・試験時間は、合計2時間55分

・1.0から9.0のバンドスコアで採点

・穴埋め、選択問題、記述式など様々(スペルミスは減点の対象となる)

TOEIC

・リスニングとリーディングの2つのパート

・試験時間は、合計2時間

・10点~最高990点で採点

・マーク式で、すべて選択問題

出題傾向の違い

IELTSの出題傾向は、アカデミック・モジュールとジェネラルトレーニング・モジュールで異なります。

アカデミック・モジュールの場合、書籍、専門誌、新聞など、学術的なトピックから問題が出題されます。

リスニングは講義の聞き取り、ライティングは図形やグラフの説明やエッセイといった問題が出されます。

ジェネラルトレーニング・モジュールは、日常生活に関わるもの、仕事や労働条件などのトピックが主に出題されます。日常会話の聞き取り、自分の立場を説明する手紙、エッセイといった問題が出されます。

対するTOEICは、主にビジネスに関わる英語が出題されます。仕事場での会話の聞き取り、電話の聞き取りや文法の選択問題、契約書、発注書、ビジネスレターなどを読解して設問に答えるという問題が出題される傾向にあります。

IELTS(アカデミック・モジュール)

・書籍、専門誌、新聞など学術的なトピック

・大学の講義、生徒の会話の聞きとり

・図形やグラフの説明、エッセイの記述

IELTS(ジェネラルトレーニング・モジュール)

・日常生活に関わるもの、仕事や労働条件といったトピック

・日常会話の聞きとり、モノローグの聞きとり

・自分の立場を説明する手紙、エッセイの記述

TOEIC

・仕事場での会話の聞きとり、電話の聞きとり

・文法の選択問題、契約書、履歴書、発注書、パンフレット、電子メール、ビジネスレターの読解

対策法の違い

IELTSは、ライティングとスピーキングのテストがあるので、それらの伝える英語も勉強していく必要があります。

ライティングでは、図やデータを要約する、論理的に書くといった力が必要で、スピーキングでは、発音、流暢さのほかにボディランゲージなども重要になってきます。

また、さまざまなタイプの問題(選択問題、組み合わせ問題、表、フローチャート穴埋めなど)が出題されるので、それらの形式や解き方にもしっかり対策をしなければいけません。

対するTOEICは、問題がすべて選択問題なので形式にはそれほどの対策は必要ありません。

しかし問題の中に間違いやすい選択肢が含まれるなど、いろいろなからくりが仕掛けられています。

そのため、文法を勉強する、ボキャブラリーを増やす、単語やフレーズの言い回しを知るといった、内容をしっかり理解できる勉強と対策が必要となります。

またビジネスにおける英語がTOEICのテーマなので、ビジネスにおける言い回しや表現なども勉強する必要があります。

IELTS対策をするならPlus One Pointがおすすめ

TOEICは、参考書などでもそれなりに学習できます。

しかしIELTSはスピーキングもありますし、英語圏の習慣やルール、そのほかにも「その国で生活できる知識」を必要とするテストなので、ひとりで対策をするというには、なかなか難しいものがあります。

そこでこれから学習をしたいとお考えの方は、まずはPlus One Pointの無料学習相談をされてみてはいかがでしょうか。

IELTSのハイスコアをもつ講師の方が、ZOOM、SKYPE、もしくはLINEでしっかり相談に乗ってくれますよ。

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2-4. 受験規模 – 受験者の数、受験場所、日程の違い

IELTSには世界で年間350万人もの受験者がおり、その数は年々増加してます。

日本でも世界比では少ないものの、ここ数年でかなり増加しており年間3万人を超えています。

受験会場は全国16都市にあり、東京と大阪では毎週、そのほかの都市では毎月テストが開催されています。

TOEIC L&Rは受験者数がかなり多く、毎年200万人もの受験者がいます。

試験は月に1度、午前と午後の部があり、全国のさまざまな都市と地域で開催されています。

IELTS

・全国16都市で受験できる

・東京と大阪は毎週、その他の地域では毎月1回開催

日程、試験会場(公式サイト)

https://www.eiken.or.jp/ielts/schedule/

TOEIC

・全国のほとんどの地域で受験できる

・毎月1回、午前と午後に開催

日程、試験会場(公式サイト)

https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/guide01/schedule.html

2-5. 受験手続 – 応募方法、受験にかかる費用、手続きの違い

IELTSの受験は、

  1. ウェブ申込み
  2. 受験料の支払い
  3. 受験確認書のダウンロード
  4. 試験

という流れになっています。

申し込み費用は25,380円(税込み)で、申し込みには試験日当日に有効なパスポートが必要です。

また申し込みの締め切りは受験日の20日前まで、19日前以降のキャンセルにはキャンセル料(6,300円)がかかります。

試験当日はパスポート、パスポートのコピー、筆記用具、受験確認書が必要です。結果は受験日の13日後にウェブで確認できます。

TOEICの受験は、

  1. ウェブ申込み
  2. 受験料の支払い
  3. 試験

という流れです。

申し込み費用は6,490円(税込み)で、受験日の約2カ月前に4日ほどの申し込み期間があります。

キャンセルの払い戻しはできません。

試験当日は郵送されてくる受験票、証明写真、本人確認書類、筆記用が必要になります。

結果は1カ月後に郵送されます。

IELTS

・申し込み費用は25,380円(税込み)

・試験日当日に有効なパスポートが必要

・締め切りは、受験日の20日前まで

・19日前以降のキャンセルにはキャンセル料(6,300円)がかかる

・試験当日は、パスポート、パスポートのコピー、筆記用具、受験確認書が必要

・結果は受験日の13日後にウェブで確認できる

申し込みの詳細(公式サイト)

https://www.eiken.or.jp/ielts/apply/

TOEIC

・申し込み費用は6,490円(税込み)

・受験日から約2カ月前に4日ほどの申し込み期間がある

・キャンセルの払い戻しはできない

・試験当日は、受験票、証明写真、本人確認書類、筆記用が必要

・結果は1カ月後に郵送される

申し込みの詳細(公式サイト)

https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/flow/net.html

2-6. スコア – スコアの見方、使い方の違い

IELTSには1.0から9.0までのバンドスコアがあり、それぞれのレベルがあります。

IELTSの公式サイトではそれぞれのレベルが解説されており、十分に英語を駆使する能力を有している、慣れた状況おいてのみ基本的能力を発揮できる、といったスコアのもつ意味を確認できます。

https://www.eiken.or.jp/ielts/result/pdf/interpretation-of-ielts-bandscores-j.pdf

またバンドスコアはレベルを測るだけでなく、留学や就労のときにも使用されます。

たとえばイギリスのオックスフォード、ケンブリッジといった名門校への出願には7.0以上のスコアが必要とされています。

ほかにも多くの大学や機関に出願や申請をするときはIELTSのバンドスコアが必要です。

ちなみに、運営団体のブリティッシュカウンシルでは大学や機関が求めるバンドスコアの検索もできます。4.5~6.0ぐらいが多いみたいですね。https://www.ieltsasia.org/jp/ielts-results

対するTOEICには10点~990点というスコアがあり、それぞれのレベルがあります。

公式サイトでそれぞれのレベルが解説されており、話題が特定分野でも対応できる、通常会話であれば要点を理解できる、といったスコアのもつ意味を確認できます。

https://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/lr/pdf/proficiency.pdf

またTOEICのスコアは、多くの日本の企業や大学が、英語力を判断する基準として参考にしています。

求人の応募資格にTOEIC~点以上とあったり、大学受験ではTOEICのスコアが判定の優遇や加点対象になるなど、さまざまな使い方がされています。

IELTS

・1.0から9.0までのバンドスコアでレベルが判定される

・海外留学、就労、移住の申請でスコアが必要になる

TOEIC

・10点~990点のスコアでレベルが判定される

・企業の応募資格や、大学受験の判定優遇、加点などの使い方がされている

IELTSとTOEICの換算表(目安)

・7.0 – 900

・6.5 – 800

・6.0 – 700

・5.5 – 650

3.IELTSとTOEICの違いまとめ

以上がIELTSとTOEICの特徴とそれぞれの違いとなります。最後にもう一度この2つのテストの違いをまとめてみました。

・IELTSは、海外の進学、就労で活用できる

・TOEICは、国内の進学、就労で活用しやすい(日本以外ではほぼ使えない)

・IELTSは、アカデミックな英語、日常で使う英語に重点を置いている

・TOEICは、ビジネスにおける英語に重点を置いている

・IELTSには、ライティング、スピーキングのパートもある

・IELTSのスコアを持っていると、海外で活躍できるチャンスが広がる

・TOEICのスコアを持っていると、日本で活躍できるチャンスが広がる

・IELTSを採用する大学や企業が日本でも増えている

このような特徴と違いが2つのテストには見られます。英語力を測るテストといっても、その使い方や活用法が大きく変わってくるので、自分の目的にあったテストを選ぶのがとても大切になってきます。こちらでご紹介した情報が、皆さんにあったテスト選びの参考になれば幸いです。

IELTSに注目する理由

この度、2つのテストに関していろいろな情報をまとめてきましたが、個人的には、日本での活躍を目指す方でもIELTSのスコアを持つというのはかなりメリットになると思いました。

というのも世界的に評価されているテストですし、日本でも採用する学校や機関が増えてきているので、これからさらに注目度が増すテストではないかと思うからです。

そもそも、ゴールはいいスコアを取ることではなく英語学習にあります。

IELTSはそれらを総合的に鍛えられる学習法でもあるのではないでしょうか。