「一年前のこのごろはビザ申請に大阪に行っていた」とスマホの写真アプリが通知してくれました。
10月の上旬に渡英したので、イギリスに来てからももうすぐ1年になります。
私の所属するケンブリッジ大学 生化学科では、一年目の学生は「Probationary PhD」と呼ばれ、試用期間の学生に当たります。
1年目の最後にFIrst year report(1年間の研究レポート)とviva(口頭試問)を行い、それによって次の4つのいずれかの判定が下されます。
・Formal PhD (正式なPhD学生)
・Revise and re-exam (修正と再試験)
・MPhill (修士号を取得し、終了)
・Withdraw (何ももらえず終了)
このシステムはアメリカでいう、Qualifying examと同等のものです。
先日結果が来て、無事に「Formal PhD」へ進むことが決まりました。
ラボの他の学生の話では、Formal PhDヘ進めないことはそんなにないということで、「まぁ通るだろう」とは思っていましたが、準備はなかなか大変でした。
First year reportのことは下の記事でも書きましたが、ほぼ修論ボリュームのレポートになりました。

原稿を書いた後、指導教員や指導してくださっている研究員の方と何度か推敲のやり取りをし、6月の終わりに提出しました。
Vivaは博士論文委員会(PTP)のメンバーのうち2人が採点者となり、プレゼンテーションに対して質疑応答を行います。
PTPについては下記の記事で解説しています。

PTPメンバーは分野が近い研究者ではないので、比較的ジェネラルな質問が多かったです。
その後、博士課程のこの先の展開についても色々と話をしました。
プレゼンテーションと質疑応答を合わせて、約1時間半くらいでした。
実はCovid-19の都合で、この会で初めて自分のPTPメンバーと対面で顔を合わせましたし、ケンブリッジに来て初めての対面ミーティングでした。
後日、PTPメンバーが学科に提出した報告書の抜粋が届き、そこには次のような改善コメントもありました。
・コントロールを全ての実験に入れましょう
・マテメソは引用文献と同様の場合でも、なるべく詳細に記述しましょう
・Figure legendをもう少し詳細に書きましょう
・Future planについてより詳細に書きましょう
・Aimのうち、本プレゼンテーションで言及されていないものがあります。そのため、何にフォーカスするかを指導教官とディスカッションしましょう。
だいたい自分が「この辺が薄いかな」と思った箇所が見抜かれていて、次から気をつけるべき部分が分かりました。
ここ数日時間を持て余していたこともあり、1年目を振り返ってみたりしていました。
それを踏まえて2年目はこういう点を改善したいなぁと思う箇所があるので、備忘録代わりに書き残しておきます。
- マルチタスクを減らして、1つの期間に1つのプロジェクトに集中する
- 時間的余裕をもっと作り、ラボメンバーと積極的にコミュニケーションを取る
- Internal collaborationに貢献する (1件取り組む)
- 仕事と家庭のメリハリをつける (土日はなるべく家族と過ごす)
- 体力作りに励む(週に3日ジムに行く)
- 不自由なくコミュニケーションを取れる英語力を身につける(1日30分は能動的にトレーニング)
まだまだ研究者として磨きたい能力はありますが、欲張らずにこのくらいから頑張ります。