S&P500に連動した米国株インデックス投資が人気を集めており、読者の方の中にも実際に購入されている方も多いでしょう。
その一方で、リスク分散のために米国以外の地域に投資したいと考える方もいると思います。
私は米国株をポートフォリオの70%程度としつつ、15%を欧州株に、15%を全世界債券に投資しています。
あまり紹介されることのない欧州株ですが、パフォーマンスはそれほど悪くない(むしろここ数ヶ月は米国株より良い)ので、その魅力をご紹介します。
欧州株ファンドとは
欧州株ファンドとは、イギリスおよびヨーロッパの企業の株式を買えるお弁当パックのようなものです。
米国株ファンドではGAFAMの割合が非常に大きい一方、欧州株ファンドでは特定の企業への集中投資はしていません。
例えば「フィデリティ・欧州株・ファンド」では割合が最も大きい銘柄でも、その比率は5.5%に留まっています。
この点で、米国株よりも分散効果が効きやすいと言えるでしょう。
さらに、米国株はテクノロジー企業の比率が高い一方、欧州株では「資本財」「ソフトウェア・サービス」「医薬品・バイオテクノロジー・ライフサービス」「商業・専門サービス」などにほぼ均等に投資されています。
値動きの異なるセクターへの投資ができることも分散効果に寄与しています。
楽天証券で欧州株ファンドが買える投資信託
楽天証券で購入できる欧州株ファンドは次の20銘柄です(一部不動産も含みます)。
- フィデリティ・欧州株・ファンド
- フィデリティ・欧州中小型株・オープンBコース(為替ヘッジなし)
- ブラックロック欧州株式オープン
- 3つの財布 欧州銀行株式ファンド(毎月分配型)
- 欧州成長株式ファンド
- SMT欧州株配当貴族インデックス・オープン
- 3つの財布欧州不動産関連株ファンド(毎月分配型)
- GSビッグデータ・ストラテジー(欧州株)Aコース(為替ヘッジあり)
- GSビッグデータ・ストラテジー(欧州株)Bコース(為替ヘッジなし)
- フィデリティ・欧州中小型株・オープンAコース(為替ヘッジ付き)
- BNPパリバ欧州高配当・成長株式ファンド(毎月分配型)
- NN欧州リート・ファンド(毎月決算コース/為替ヘッジなし)
- 明治安田欧州株式ファンド
- 欧州不動産戦略ファンド(3ヵ月決算型)
- NN欧州リート・ファンド(資産形成コース/為替ヘッジなし)
- NN欧州リート・ファンド(毎月決算コース/為替ヘッジあり)
- NN欧州リート・ファンド(資産形成コース/為替ヘッジあり)
- 欧州不動産戦略ファンド(年1回決算型)
- 欧州株式指数ファンド
- 欧州新成長国株式ファンド

これらのうち、積立NISAの対象になっているもの(特に優れていると見なされた金融商品)が「フィデリティ・欧州株・ファンド」で、一年実績のトータルリターンが13%という驚異的な記録を残しています。
欧州株ファンドに含まれる銘柄
筆者も購入している「フィデリティ・欧州株・ファンド」の2019年末のデータを例に、どのような企業を投資対象としているかを確認してみましょう。
「企業名/国/業種/比率」の順で紹介していきます。
- SAP/ドイツ/ソフトウェア・サービス/5.5%
- エクスペリアン/ジャージー/商業・専門サービス/4.9%
- ノボ・ノルディスク/デンマーク/医薬・バイオ/4.0%
- グリフォルス/スペイン/医薬・バイオ/4.0%
- インジェニコ/フランス/テクノロジー/4.0%
- ブリティッシュ・アメリカン・タバコ/イギリス/食料・タバコ/3.2%
- キアゲン/オランダ/医薬・バイオ/3.2%
- スカウト24/ドイツ/メディア・娯楽/3.2%
- LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン/フランス/耐久消費財/アパレル/2.9%
- アッサ・アブロイ/スウェーデン/資本財/2.8%
知っている企業はありましたか?
日本ではサービス展開をしていない企業も多いので、私が聞いたことがあったのはルイヴィトンやキアゲン(研究の試薬とかを売っているので)くらいでした。
しかし、設立から50年以上の歴史ある企業ばかりで、コロナショックでもそこまで大きな影響を受けなかったことも欧州株ファンドの魅力の1つです。
国別の配分は、
- イギリス 20.5%
- ドイツ 15.6%
- フランス 14.0%
- オランダ 11.5%
- スイス 10.9%
- スペイン 6.6%
と続きます。
通貨もユーロ・ポンド・フラン・クローネと分散されているので為替リスクにも強いと言えるでしょう。
欧州株のパフォーマンス
短期的に見れば欧州株ファンドは米国株を上回る勢いで伸びています。
例えば私が2020年10月に購入した「フィデリティ・欧州株・ファンド」の時価評価額は+7.89%であり、同じタイミングで購入した楽天VTIの+5.82%よりも良い成果を生んでいます。
5年間という中期スパンで見ても、基準価額は+49.70%と全体的には右肩上がりで推移しています。

今後、ヘルスケア領域のニーズが増してくることから、欧州株の成長傾向は持続すると見込んでおり、私は今後も着々と欧州株を購入していく予定です。
まとめ
米国株投資人気の裏であまり注目されることがない欧州株ですが、分散効果の点で米国株ファンドよりも優れており、ポートフォリオに加えるのはアリだと思います。
中期成果で見ても着実な成長を遂げているので信頼できる投資対象と言えるでしょう。