この記事を書いている石田とこーぶんは現在20代中盤で、共に家族やパートナーと幸せな時間を過ごすことができています。
石田はケンブリッジ大学の博士課程へ進学し、こーぶんは大手広告代理店のコンサルとして働きながら、株式投資を趣味の延長で楽しんでいます。
しかし、琉球大学で共に学んだ学生時代や、その後の数年間には様々な苦労も経験しました。
今振り返るとそれらの苦労の多くは「知っていれば回避できたもの」ばかりで、あのときの自分達に伝えてあげたいアドバイスがいくつもあります。
過去の自分には伝えられなくても、きっと読者の方々にも生かしてもらえることもあると思うので、「大学生のうちに知っておきたかったこと」というテーマで連載を始めることにしました。
初回は「25歳までに100万円の貯金を作るべし」という話です。
私たちは学生時代に、毎月のアルバイト代をきっちり使い切ってしまっていました。
もちろん、仕送りがあまりなく、そうせざるを得なかった面もありますが、初めてもらう給料の額に浮き足立ってしまい、新しい服や旅行などを存分に楽しんでいました。
そのような経験も人間形成の上では必要ですが、もう少し長期的な目線が必要だったと感じます。
20代の貯蓄額中央値は「1万円」
20代の社会人の多くは、年収300万円以下で働いています。
彼らがどの程度の貯金を蓄えているか分かりますか?
驚くべきことに、中央値は1万円です。
「社会に出れば毎月決まった給料をもらえて、貯金もどんどんたまってくんだろうな」
もしそんな期待を持っているのであれば、統計ときちんと向き合う必要があります。
現実は、小学生のお年玉くらいの金額しか、いざという時に使えない人がほとんどなのです。
これでは病気や怪我などの突然の出費に対応することは難しいですし、パートナーとの結婚を考えることも現実的ではありません。
もし会社がブラックで転職をしようにも、貯金1万円ではブランクの期間の生活もできないので、新しい行動を起こすことさえできなくなってしまいます。
その一方で、「変化を起こすのであれば若ければ若い程よい」というのも事実です。
第二新卒であれば業界や職種の違う仕事にも就けますし、住む場所だって柔軟に選ぶことができます。
「何かしたほうがいいのは分かっている、でもお金がなくてできない」
このジレンマに苦しむ友人を数多く見てきました。
実際、私もお金を気にして大きなチャンスに乗れなかったこともあります。
若いときこそお金を活用して、そのさきの人生を好転させることができるので、とにもかくにも「25歳までに100万円」を準備しておくことが、最適なリスクヘッジになります。
100万円あれば半年程度は生活できますし、急な出費にも焦ることなく対応できます。
予定があると嘘をついてまで貯めた100万円
私が貯金の重要性に気づいたのは、1年後に100万円程度必要という予定が入ったことがきっかけでした。
1年という期間は比較的長いので、頑張れば貯められそうという金額に感じました。
しかし、それまで続けていた浪費生活を断ち切る必要があり、目標のために節約を始めました。
節約の詳しいコツはこちらの記事にまとめています。

それまで昼夜と外食していたのを、手作り弁当と自炊に変更し、友達との飲み会も行かなくなりました。
友達と話すのはとても好きだったので、最初は断ることに抵抗感がありました。
ある夏の日にはビアガーデンに誘ってもらいました。
その時はギリギリまで返事を先送りしていましたが、「目標のためにここは貯金しよう」と決め、「ごめん、その日は予定があるんだ」と嘘をつきました。
もう呼ばれなくなるかなとか不安もありましたが、きちんと自分の気持ちに従ったことですっきりとした感情もあり、やはり時に断ることは大事だなと感じました。
そんなこんなで浪費をやめると、そこまで収入が増えていないにも関わらず、一年後には100万円を貯めることができました。
不思議なことに100万円を貯めてからは、さらに貯金のペースが加速し、200万円、300万円と順調に貯めることができています。
大学生のうちからコツコツ貯める
大学生がやるべきことに話を戻すと、今すぐにでも貯金を始めることが重要だとお伝えしたいです。
バイト代を全て使い切る生活をしていると、生活レベルが上がるばかりで資産は何もなく、一度あげた生活レベルを下げられないために、常に働き続けなければならないという負のスパイラルに陥ります。
日本は特にエンタメが盛んな国なので、都市部に行けばお金を使いたくなるような場所はいくらでもあります。
だからこそ、他の人とは違う行動を取ることで、数年後の自分に大きな選択肢をプレゼントしてあげることが大切です。
大学生のうちは毎月5000円でも、1万円でもいいので貯金をし、少しずつ資産が増えていく喜びを味わってみてください。
それさえできれば、社会人になって収入が増えた時に、生活レベルを抑えて、着実に貯金を貯めていくことができるはずです。
もし私がもう一度大学生に戻れるのであれば、各学年で10万円ずつの貯金を目指すと思います。
そうすれば、大学4年間で合計40万円がたまり、その後の社会人3年間で20万円ずつ貯金すれば100万円に到達します。
お金があることで時に精神に大きなゆとりを生み出す
「貯金した方がいいのはわかるけど、特に貯めたいと思わない」
という意見もあると思います。
ではなぜ貯金をオススメしているのでしょうか。
それは、お金があることで、時間やエネルギーをかけなくても解決できる問題があるからです。
分かりやすい例で言えば新幹線を利用するのに近いイメージです。
在来線でも新幹線でも出発地点と到着地点は同じですが、かかる時間と運賃が異なります。
もちろん、新幹線を利用した方が時間は早く、運賃は高くなります。
これは時間をお金で買っているのです。
時間を切り売りしている人の場合、時間は命とほぼ同じ意味合いを持ちます。
つまりお金を払うことで、自分のために使える命を買っているとも言えます。
適材適所でお金パワーを発動させることにより、面倒ごとを回避できたり、より生産性が高まるような生き方ができるようになります。
また、感覚的な話になりますが、お金の不安があると常にそのことが頭の片隅で暴れまわり、目の前のことに集中できなくなるという経験をしたことのある方も多いのではないでしょうか。
私はカードの残高不足が続き、カード会社から電話がかかってくる時期になると、いつもお金の不安に苛まれていました。
最終的には「カードなんてあるからダメなんだ」と激昂し、クレジットカードをハサミで切ったこともあります。
しかし、十分な預金があり、毎月きちんと引き落とされる状態にしてからは、心も軽く、クレジットカードのメリットを十分に享受できているような気がします。
お金はあっても必ずしも幸せにはなりませんが、ないよりかはずっと心の不安を取り払ってくれる存在です。
もしものために、十分な蓄えを作っておくことが大切です。
以上、大学生の頃に知っておきたかったことの第一弾「25歳までに100万円貯めるべし」でした。
大人になって大きな負債を抱えないよう、小さな失敗や小さな成功をいくつか経験し、まずは100万円という目に見える目標を達成してみてください。
必ずあなたの人生にポジティブな影響を与えてくれるはずです。